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羨望と尊敬とそして現実と

連日、故・樹木希林さんの報道が流れている。

いつだったかには、
ご遺族からのコメントとして、
「家族でも知らなかったエピソードまで報道頂いている」と、
素直な驚きと謝意の報道まであった。

とにかく、熱を帯びた報道が連日地味に続いている。
それは何となく、
故人の生前のお人柄を静かに偲ぶ、というよりあたしには
〝憧れてやまない人についての逸話〟に見える。

優れた個性派俳優として、
仕事も立派に成し遂げていたこと。
相思相愛でありながら、別居40年のドラマチックな夫婦関係。
素晴らしい娘家族との、お互い干渉はし合わない、
けど、寄り添い合っている、これぞ理想というような二世帯同居。
そして何より”全身がん”と認識しながら、
最期まで、自分自身の思うように人生生き切られたということ。

「嫌な話になったとしても、顔だけは笑うようにしているの。
井戸のポンプでも、動かしていれば、そのうち水が出てくるでしょう。
同じように、面白くなくても、
にっこり笑っていると、だんだん嬉しい感情が湧いてくる」


「他人と比較しない。世間と比較しないこと」

「一人の人間が生まれてから死ぬまでの間、
本当にたわいもない人生。
だから、大仰には考えない」


「自分にとって具体的に不本意なことをしてくる存在を
師として先生として受けとめる。
受けとめ方を変えることで、素晴らしいものに見えてくるんじゃないでしょうか」


悩める者への人生指南にピッタリだと思う。

そして、あたしが敬服するのは、
病や加齢に対して言われていたことだ。

「年を取るのは面白い。
若い時には当たり前にできていたものが、できなくなること。
ひとつずつを面白がってほしいのよ」


「片目失明して。世の中見えすぎて、片目でちょうどいい」

「病を悪、健康を善とするだけなら、こんなつまらない人生はないわよ」

「がんはありがたい病気。
周囲の相手が自分と真剣に向き合ってくれますから。
ひょっとしたら、この人は来年はいないかもしれないと思ったら、
その人との時間は大事でしょう?
そういう意味で、がんは面白いのよ」


「ガンになって死ぬのが一番幸せだと思います。
畳の上で死ねるし、用意ができます。
片付けしてその準備ができるのは最高だと思っています」


ふつうのひとが言ったら、やや問題になるかもしれない(苦笑)
心底悩み抜いている患者さんもいるかもしれないのに、とかね。
そういう、今なら”ネットで炎上と”かもあったかもしれない。
けれども、樹木希林さんの言葉では、そうはならない。
たぶん、憧れというか。
尊敬というか、感服というか。
そういう方が多くの人に勝ってるんだろうなあと思う。
それは同時に、
こうなれない、
こうでない人の方が断然多いからなんだろう、とも思う。
理想としては樹木希林さんの生き様だけども、
それが出来ない現実としての、暮らし。
これこそがまさに、理想と現実の格差。

母方の親戚の、とあるおば。
元気なうちは、
「病気になっても治療はしない。
子供に面倒かけず、コロリと死んでくつもり」
そう朗らかに言っていたけど、
現実では違った最期になった。

最近の大体の医療現場では、すっぱり患者に
何もかも告知して話を進めるらしい。
親戚が教えてくれた。

まず病名告知。
家族も交え、患者本人にもずばり伝える。
それから治療方法。
選択肢をいくつかあげてくれる。
そしてそのそれぞれの治療費代金。
このを使うと〇〇円で、
こちらの新薬を使うとお高くなって○○円となります。
どちらになさいますか、と医療側から言われたという。

そして、親戚のおば。
「命が少しでも長引くなら、お高い方で試したい」

病床に有った最後の辺りでも、
新薬治療に生きる希望をつないでいた。
数日でもいいから生きたい、とおば。
担当医が「何かして欲しいことはありますか」と、
家族と一緒にベッドサイドへ立ち、
おばの耳元へそう言ってくれたという。
周囲にいた身内達は、
ああ本当にもう残された時間は少ないのだな…
でも先生のご配慮に感謝します…と。
そう思っていたら、おばだけが「は???」
「先生のおっしゃってる意味が分からないんですが」と。
この逸話は、親族の中では完全な笑い話になっていて、
おばの息子。
「ついもううっかり、
だからー
母さんはもうすぐ、もう死んじゃうから、
先生が最期に何か願いがあるなら聞きますよって、
ご親切に、そう聞いて下さってんじゃんー
そういう意味だよーって、言いそうになったよ(苦笑)」

「お金はものすごくかかるけど、
本人がそれを望む限り、家族としては尊重してやりたい」
そう、親戚たちは言い、生々しいけど、お金の工面をしていた。
おばは、自分の望むだけの治療をして貰って、
余命宣告とそうたがわず旅立った。

こういうことに、
よいも悪いもない。

ただ、樹木希林さんに憧れを持つ。
お人柄まで知らない方だのに、憧れる。
こうありたいと願う。
こうでありたいと、学ぼうとする。
現実は、各自どうかは、分からない。

樹木希林さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。



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2018-10-04 : よしなし雑記 : コメント : 0 :
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Author:lou.c
2013年10月、片側顔面痙攣で開頭手術を受けました。煩わしかった痙攣から解放された☆と思いきや、術後約1年数ヵ月後、また魔の痙攣が始まりました…
この症状について、さらには病というモノなどについて、さらにさらにはいろいろよしなにごとを書き綴りたいと思います。

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