病・人生行路

あたしの姉の亭主。
つまり義理の兄が、来年年明け早々、
入院手術をする。

昔もむかし、大昔。
義兄、うんと若かりし頃。
高校3年生だったか大学1年生だったか、そんな頃。
大きな事故にあい、太ももの血管をつなぎ合わせるだとか
筋肉をどうかするだとかの、かなりな大手術を経験してる。
(※姉と義兄は、高校のときから、
 くっついたり離れたりの恋人で、結婚してるから、
 妹であるあたしも、義兄の過去を何でも知ってる:笑)

その箇所が、どうも、悪化したらしい。
最初は、最近始めたジョギングのし過ぎで、
筋肉疲労かと、義兄は思ってたそうだけど、
どうもそうではなさそうだ、と気付いて、病院へ。
歩くと激痛が走ると、医師に相談した。
結果、大過去の古傷が、よくない状態になっている、と。

先延ばしにしても、症状は悪化するだけ。
もとより自然治癒なんてあり得ないし。
だったら、若く体力も十分あって、
回復も早い今のうちに再手術を、ということになった。

何十年も前に負った、傷。
その当時、バッチリ治して貰っていたはずだのに、
高齢化に伴い、やっぱり、どっかが、劣化する。
劣化をして、悪影響を及ぼして来る。
きちんと処置をして、治したはずだのに、だ。

あたしは、しみじみ思った。

1度、折った折り紙は、きっぱりと折り目がつく。
まっさらの紙より、扱いにくい。
1度、ひびの入った壁は、修復しても、強度は弱い。
補正跡も、どうあっても残る。

1度、手術をした体は、もとの、
生まれたときのままの、何もなかった体とは、違ってる。

乳がんで乳房を片方摘出したという、会社の元先輩が、
「手術をしてもう何年も経ってるけど、
まだ傷口が引き攣れる感じがする」と言っていた。
あたしの母も、父も、
幼い頃に盲腸から腹膜炎を起こして、
どえらく大きな開腹手術をしている(昔の医療だからねぇ)
その傷が、どちらもやっぱり、
いまだに、体調不良のときには、
チクチクする、だとか、チリチリするだとか、言っている。
もう、それこそ半世紀以上過去のことなのに、だ。

眼鏡やコンタクトレンズで、矯正視力のひとと、
裸眼で視力抜群のひととは、根底から、違う。
矯正視力のあたしなんて、夜道のデコボコだけでも、
足元がよく見えてなくてヨロめく。
雨の日なだけでも、見え方が弱くなる。

そういうもんなんだろうな、と思う。
ほんと。
しょうがないんだと思う。
そういうもんなんだと、思う。
1度傷んだものは、完全無欠とは、違う。
そういうもんなんだよねえと、つくづく思う。

無念でもあるし、そらもちろん残念でもあるけど、
でも、そこはもはや、諦めというか。
そういうことで、乗り切るほかないよなあ、と思って。

人生行路って言葉が、ふっと頭をよぎった。
どんだけ古臭い言葉なんだ、と自分でも苦笑したけど、
あたしも、じゅうぶん中年だから、もうどんだけ使ったって平気(笑)

人生行路。
漫才師でいたのは、ご夫婦ぼやき漫才☆
あたしの指すのは、人生行路。
意味としてはだいたい、こんな感じか。

【人がこの世を生きて行く道のり、ひとの一生涯。
困難や苦難の人生を旅のようにたとえたもの】
 ※あたしの解釈入り

病の行路、の変遷だなあ、としみじみする。
あたしや、義兄や、父や母や。会社元先輩も。
病や手術体験のなかった頃とは、
違う別の道を歩んで生きてる。
元来た道には、戻れない。
2度とだ。
戻ることは、2度と出来ない。
何だか、寂しいけど、こればかりはもう、しょうがない。

あたしの片側顔面痙攣の再手術から、
半年とちょっとが、過ぎた。

「術後半年くらいで、
また痙攣がふわっと再発する方もおられますが、
だいたいの方がまた徐々に落ち着いていかれます」
そう、担当医師が説明してくれていた。

2度目の手術後、痙攣は一度もまだ出てない。
けど、12月の半ば頃から、
「ん???」とね。
ごくごくごくごく、微弱な電流が右目まぶたの上を走るような。
そんな感じがある。
1日中、それを感じるときもあれば、
ほとんど感じない日もある。
(ほんと、不思議。なんで???)

微弱痙攣らしきものを感じるとき、
バッババッと、鏡の前に走れるときには、走ってみる。
手鏡があるときは、それでじーーーっと観察してみる。
時間が許すなら10分くらい、じーーーーーーっ。
すると、
「今まさに揺れ感がある!(ドキドキ)」のときでも、
まぶたは、ほとんど、というか、ほぼ痙攣していない。
手鏡を、もうどんだけ!というくらいにまで、
極限近づけて注視に注視をして、
ガン見していると、
ごくまれに、まつげの先が”ピクッピクッ”と、揺れる。
でも、以前のように、激しくまぶた全域痙攣する、でもないし、
頬や口元まで及んだ痙攣&引きつりは、無い。
あくまで、まつげ辺りの微弱な揺れが、
見えるかどうか、くらいの、揺れを、目撃することはある。

これが、再手術後5年後くらいとか、
10年後くらいだとかだったら、良かったのになあ…が、
本当に真実、正直な、あたしの気持ち。

こんな微弱な、微弱にも程があるほどの、
微弱な痙攣?にでも、
心が反応する。
怯える心や、恐れる心や、
うちのめされる心や、絶望の心や。
いろんな<負>の心に、気持ちが引っ張られて、
暗いものに覆われる。

正直、しんどい(苦笑)

だけど、これも、もうしょうがないとも、分かってる。
だって。
1度折り目のついた紙は、元の真っ新品の紙とは違う。
くっきりついた折り目はもはや、消えない。
しょうがないことなんだもんな。。。(遠い目)

片側顔面痙攣の再・再発、とは、違う(と思う:願う!)
けれども、これが、
この微弱な電流が走るような、コレが、
その兆しのきっかけだったら、嫌だ。
そう、思う。

けどけどけど。
担当医師は「再手術の出来はバッチリですヨ☆!」
太鼓判を押してくれて、退院させて頂いたし!
「バッチリ出来たから、この先もっと
安定すると思いますヨ☆!」
とも、言って下さってたし!
ここはもう、落ち着いて冷静に、
心静かに、心穏やかに暮らすほかない、と思って。

この前から文字にしてるけど。
片側顔面痙攣で、手術をされた方でも、
その後の経過に、おおらかな人は、
すこぶるご機嫌で暮らしておられる。
「手術後、痙攣はまだ多少出るけど、
手術前に比べたら、こんなの断然マシ☆」とか、
「たまに痙攣するけど、
前みたいにずっと痙攣じゃないし、楽☆」だとかって。
すっごい前向きにとらえておられる(素晴らしい!:感動)

あたしみたいに、いちいち怯えて暮らす人間ってのは、
ほんと、心底面倒くさいヤツだな!と、自分でも思う。
思い切って言ってしまうけど、
こういうグジグジした人間は、
手術で治す、ということは、向いてないのかもしれない。
もし、手術を選択したのなら、
みずから気持ちを強く律して、
「軽度に症状が軽減したから、オッケー!」
そのくらいの大きな気持ちを持たねばならん、と思う。
それには、内実、涙や悲しみがあったとしても、だ(くすん)
強がる気持ちででも、だ。
負け惜しみででも、何でも、そういう方向へ、
気持ちを作らねばならん、と思う。
そうでなければ、一生涯、この先の
先の先の最後まで、
自分は自分の病に、打ち負かされたことになってしまう。

それは、嫌だ!

涙目でも鼻水滲ませてでも、
嘘っぱちでも、何でも、
片側顔面痙攣に負けた人生は、送りたくない!


とね。
書いとく(苦笑)
ため息しながら、コーヒーとか飲んでるのが、
現実の真実だとしても、ね(苦笑)

痙攣は、してない。

感じたとしても、とにかく目視が、ほぼ出来ないくらい。
これでもし、担当医師のところへ、
相談受診に伺ったとしても、
何もすることはないと思う。
このくらいの感覚なら、
本当に〝完治〟の状態だと思う。
ただ、それをあたしがどうとらえるか、なだけ。
100%パーフェクトな、完品なあたしの体は、
もはや取り戻せないのだから、
どこかで納得するほか、ない。

多少痙攣するくらいなら、オッケー☆!
前よかぜんぜんマシ☆!

このくらいだって、個人差次第では〝完治〟感覚なんだもん。
あたしも、もっとおおらかにならねば。
努力してでも、そこは性格、作っていこうと、思ってる。
これも、あたしの、人生行路だ。
これが、あたしの、病・人生行路だ。




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2017-12-24 : 片側顔面痙攣のこと : コメント : 4 :
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術後25日
こんにちは、始めまして。
手術を考え始めてから、何度かおじゃましていました。
自分のまわりになかなか同じ病気の方はいないので、皆さんのブログだけが頼りの日々です。

自営業なので、本当に休みをとるのが難しく、ようやく年末にあわせて、昨年の12月20日に手術を受けました。
多くの方が言われていたように術後二日間吐き気がひどくおもいっきり戻した瞬間、耳がボコッと籠ってしまいました。
術後5日位は痙攣が止まっていましたが、少しずつ出始め、あー…でした。
今も毎日出ています😓😓
術前よりましといえばましなのか、少しずつ治まっていくのだろうけど、今はやはり不安のほうが大きいです。
耳のこもりはは、ようやくおさまりました。
じつは、遠方のため、本当に受けたい先生に受けられなかったことが、心のどこかに不安と重なってしまうのかもしれません。
(施術してもらった先生も経験豊富な信頼できる先生ですが)

ごめんなさい、家族にも心配かけたくないので、不安な気持ちをこぼせる場所がなく、痙攣は本当に同じ体験をした人だけしかわかりませんよね。
きっと良くなるを信じて。


2018-01-13 10:42 : いち URL : 編集
Re: お大事になさって下さい☆
いち様、

初めまして。
お立ち寄り下さり有難うございます。

術後不安なお気持ち、お察し致します。
本当に手術をしたけれども、
完全なる手放し幸福!☆とは、
必ずしもどなたもが、という訳には行きませんよね。
もちろん、個人の性格もあるでしょうけれども。

片側顔面痙攣での手術では、
私の執刀医によると、
1)術後、直後から痙攣がピタリ止まる
2)術後、痙攣が止まったり出たりしながら終息する
3)術後、痙攣は止まっていたが、
  半年程して再発し、追々終息していく
4)術後、まったく痙攣が止まらない
この4つに分かれる、と聞いたと思います。

道筋は、個人差がありますので、
素人の私には何とも申し上げられませんが、
いち様はまだ術後25日でおいでです。
ここは気持ちを冷静に、
落ち着いて日々お過ごし頂くことが、一番かと。

その痙攣の具合も、本当に個人差があると思います。
物凄く強く痙攣する方もおられるでしょうし、
とても微弱な痙攣の方もおいででしょうし。
そして何より、気持ちの問題。
「手術前に比べたら、ぜんぜんマシ☆」と
おおらかに思われる方もいらっしゃれば、
「せっかく手術までしたのにぜんぜん治まらない…」と、
酷く落胆してしまう方もおられると思います。
(私はマイナス思考派なので、断然、後者です:苦笑)

ですが、とにかくここはまだまだ、
術後日も浅くてらっしゃいますから!
どうぞお気持ちをしっかり持たれ、
どーん!と、執刀医を信じて!☆
お過ごし頂くのが宜しいかと思います!

> 耳のこもりはは、ようやくおさまりました。
ともおっしゃっていますから、
改善の方向の、吉報だと思います!☆

>じつは、遠方のため、本当に受けたい先生に受けられなかったことが、
心のどこかに不安と重なってしまうのかもしれません。

とありますが、これは私に対して、ベテラン看護師さんが
もっとも心配されていたことでした。
気持ちでしっかり納得しないと、
心配や不安に負けてしまいますヨ、と。

いち様の担当医師は、
ものすごく当初望んでいた医師ではないかもしれませんが、
それでもその医師で、執刀を受ける、と
決意されただけの、先生でおありなのですもの!
やはりここはもう、ドーン!と構えて!
先生を信じて、次の診察を待たれては如何でしょう!
次の診察時に、あれやこれやと
現時点の不安や、症状などを、
明確に伝えられるように、メモ書き記録をお勧め致します。
きっと、現代医学の脳外科医師としての、
説明をしっかとして下さると思います。


>ごめんなさい、家族にも心配かけたくないので、
不安な気持ちをこぼせる場所がなく、痙攣は本当に同じ体験をした人だけしかわかりませんよね。

分かります、分かります本当に(涙)
お辛いお気持ちでいっぱいですよね(涙)
私も胸が苦しくなります(涙)
本当、これはこの片側顔面痙攣患者にしか、
理解出来ない悲しみや切なさがあると思います(涙)
頭蓋骨に穴まで開けての大手術ですものね。
家族にも「完璧治ったよ!☆」と、
大声で宣言したいですよね(涙)

でも、いち様!
再三ですが、まだ術後25日です!
ドーン!と構えて参りましょう!
どーん!です、どーん!☆

> きっと良くなるを信じて。

私も、いち様のこと、
きっとそうおなりだと信じております。
ひとまずとにかく、ここは落ち着いてどうぞ、
心穏やかにお過ごし下さい。

いつでも揺れるお気持ちの取り出し用に、
お訪ね下さい。
お互い様です☆
お互い様で、頑張りましょう!(←涙目ですけども:苦笑)
2018-01-13 17:08 : lou.c URL : 編集
ありがとうございます🙇🙇
早速に暖かいメッセージを頂き、本当に本当にありがとうございました🙇🙇🙇
そうですね、もう少しゆっくりと構えていかないとだめですね。
ても、こうして同じ体験をした方とお話できるのは本当に心強いです。
「その気持ちわかりますよ」て、言ってもらうと本当に涙が込み上げてきます。
ありがとうございます❗
ゆっくり頑張ります😊

担当の先生にも不安なこときちんと聞いていくようにしますね。

今はピクピクと文字が揺れています😅😅
また、コメントさせて下さいね。
よろしくお願いします🙇🙇🙇
2018-01-13 22:07 : いち URL : 編集
Re: お互い頑張りましょう☆
いち様、

痙攣は寝ても覚めても気になる存在ですよね。
ましてや人に会うときなどは、滅入りますよね…
でも、この体で生きて行くしかない。
どれだけ辛くとも。
泣けて来ちゃいますけれども、現実ですものね。
どうにか折り合いを付けて、
涙があっても、どうにか。

痙攣しながらでも、
イライラしながらでも、本を読んだり、
腹が立ちながらでも、風光明媚な場所を訪れたり。
何ともバランスが悪くて、本当にくっそー!ですけれども、
しょうがない。
もー!で、お互い頑張りましょう!☆

今の、いち様の術後の状態が、
術前より、少しでも軽減されておられますように。
お気持ちが少しでも「ちょっとは前よりいい」と思われて、
痙攣に負けない思いになられますように、願っております!

いち様へ、こう文字にしながら、
自分自身にも言い聞かせています。
こちらこそ、いち様に助けて頂いていると思います。
こちらこそ、感謝申し上げます☆

泣きべそかきながら、ですけれど、
私も頑張りたいと思います。
お互い、頑張って行きましょう☆!
2018-01-14 00:39 : lou.c URL : 編集
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プロフィール

lou.c

Author:lou.c
2013年10月、片側顔面痙攣で開頭手術を受けました。煩わしかった痙攣から解放された☆と思いきや、術後約1年数ヵ月後、また魔の痙攣が始まりました…
この症状について、さらには病というモノなどについて、さらにさらにはいろいろよしなにごとを書き綴りたいと思います。

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