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小さな勇気

〝使い捨てマスク〟
着用し続けてしまう人の、気持ちが分かる。

あたしの場合は、風邪を引いたとき着用して、
呼吸の湿気が喉に良いと、聞いているから、
寝るときだって、そういうときは、つけて寝る。

そうこうしているうちに、だんだん、
「メイクしてもマスク汚れるしなー」で、お化粧手抜きが始まる。
勤め先に行くのも、外出するのも、ほぼすっぴん化。
めちゃ楽!
ただ。
これに馴染み過ぎると、ほんとにマスクが手放せなくなる。
ズボラの王道、まっしぐら(失笑)
これがあたしの、マスク着用の基本。

でも、精神的に手放せなくなる、という人の気持ち。
これをあたしはよくよく理解出来る。
何故なら、片側顔面痙攣の症状があるとき、
一時期ほぼマスク着用していたことがある。
きっかけはまあとにかく風邪だったけれど、
それを越えたあとでも着用し続けたのは、
「マスクで痙攣を隠すことが出来る」と思っていたから。


痙攣はずっとしていたけれど、でも、
マスクで顔のほとんどを覆っているおかげで、
無いよりずっと安定して、平常心でいることが出来た。
顔のほぼを隠していること。
これほど安心感を得られることはなかった。

<マスク依存症>といわれることに、合致する人は、
初対面の人と話すことが苦手、だったり、
人に直接顔を見られていないという安堵感がある、だったりするらしい。
本当に、痛いほど、よくよく分かる。

片側顔面痙攣の、酷い痙攣を、
酷く引きつれて、歪んだ顔を見られないで済む。

このことは、心底ホッとするものだった。
それらはただの、まやかしに過ぎないことも、
もちろん理解してのことだった。
現実のあたしの表情は、痙攣し続けているものだ。
右目がぎゅうぎゅう、不随意に閉じてしまうものだ。
右頬がピクピク、揺れに揺れているものだ。
でも、マスクはそれらを優しく、隠してくれる。

風邪を引いてしまって、マスクを着用すると、
あたしは今も、だから、
今も、
再手術をして、
痙攣が、幸いなことに無事消滅した今もなお、
マスクを外して暮らすまでには、
ふつうの、
何の症状もない人々よりも、数日多く要する。
たぶん、これは確実だと思う。


あたしの、眼鏡着用は、マスクと似ている。
元来、おしゃれアイテムとして眼鏡は好きで、
いくつももともと持っていたけど、
片側顔面痙攣になってからは、
派手目な色や形の眼鏡が増えた。
それは、あたしの好みは個性的なファッション、と
人には、見て貰えているようだったけど、
内実は、少し違った。
痙攣がちょっとでも、誤魔化すことが出来たなら、とね。
そう、思って眼鏡をいくつも新調して来た。

それまでは、
片側顔面痙攣が発症するまでのあたしは、
ずっとコンタクトレンズ愛用者だった。
何十年もだった。
まあ。
眼鏡暮らしを始めての、利点は、
慢性結膜炎からおさらば出来たことか。
しつこくいつも眼がシガシガ、痛痒かった。
目やにだって、面倒だったり。
それらがすーっと治まった。
これは、眼鏡暮らしをした利点。


でも。
あたしは、再手術のあと、
また使い捨てコンタクトレンズを購入した。
1日使い捨ての、便利だけど相当割高のヤツ。
1箱だけ買った。
眼科で、レンズ販売員さんが、
たった1箱だけ買うあたしに
「1箱だけで大丈夫ですか?」と、不思議そうに質問して来られた。
そりゃそうでしょうともさ。
1箱なんて、2週間分なだけだ。
そんなのあっという間に消費されてゆく。

「ええ結構です。
基本、もうずっと眼鏡になってますので。
ただちょっと、レンズの方がいいかなっていう日にだけ、
咄嗟に使いたいって、思い直したんで」

そう答えたら、なるほどね、という風にうなずかれた。
本当の答えは、
まだ顔を全部さらけ出すことに、抵抗があるから、だけど。
マスクでも、眼鏡でもないあたしの、顔の全部を出すこと。
これには、まだ少し勇気が要る。
でも。
でもでもでも。
ちょっと、コンタクトレンズ着用してってみようか。
そう、思い始めたあたし。


再手術をして、4ヶ月が過ぎた。
何度も言うけど、痙攣は1度も発症していない。
嬉しい(感動)☆
泣けて来るくらいに、嬉しい。
耳鳴りは、瞬きをするたび、ザッがあるけど、
ザッがあるのに、痙攣は1度もない。
これが本当に不思議というか、神秘というか。
痙攣と表情筋と耳鳴りは、リンクしている程、密接なのに。
痙攣だけは、まるっと消滅している。
本当に、本当に、これ、不思議。

両目を全部、さらけ出す。
考えるだけで、ドキドキする。
ドキドキしたらまたヤツに遭遇しそうで、
この感情、気持ち、これよくない!
けどもけどもけども。
恐る恐る、洞窟を出てゆく、何かのイキモノのような感じ。

退院して、1度目の外来受診のとき、
痙攣の様子を脳神経外科の、担当医が、
調子を聞いてくれた。
そのとき、
「痙攣は幸福なことに止まっていますが、
まだ気持ちがそれに付いていけていなくて」とあたしは答えた。

深く暗い洞窟の中から、
光が差している方へ、
恐る恐る出てみようかなって、思っているイキモノみたいな
気持ちでいます。

そう、続けて言ったら、
担当医は、笑顔でこう応じてくれた。
「もうとっくに、
洞窟の外へ出ておられますよ」
 と。


耳鳴りを伴いながら、
あたしは生きてく。
コンタクトレンズを着用する勇気は、
小さいけれど、あたしにとっては、大きな勇気だ。

担当医の言葉を胸に、勇気を持ちたいと思う。




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2017-10-19 : 片側顔面痙攣のこと : コメント : 2 :
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よかったですね
私は再手術悩んでいて
未だに ピクピクうっとうしい毎日を過ごしてます 

正直
こんな辛くてしんどい思いするくらいなら
死んだ方がマシかな‥‥?って気持ちになります
2017-10-31 09:32 : はるみ URL : 編集
Re: 負けないで下さいー!(涙)
はるみ様、

初めまして。
お立ち寄り下さり有難うございます。

片側顔面痙攣で、再発なさっておられるのですね。
お辛いですよね(涙)
私はその苦しみを、はるみ様のご家族やお友達の誰よりも分かる、と
断言させて頂きます。だって、同じ体験者ですもの!(涙)

本当に辛くて悲しくて切ないですよね。
誰にも出来るなら会いたくないし、外出なんてしたくない…
鏡を見るのも苦痛で、お化粧することも気が向かない…
本当に分かります、
はるみ様のおっしゃる
<死んだほうがマシかな…>
お気持ちは十分分かります、本当に。
でも。
私は<死にたい>とは、思わずにおりました。
ハンパない史上最強な臆病者なので(苦笑)
死ぬなんてとてもとてももー恐ろしくて!考えも及びませんでした!(大真面目)
最強臆病者がゆえに、
怖いを通り越えて「ちくしょーめ!痙攣め!
木っ端微塵に粉砕してやる!」と、怒りに変化するばかりでしたので(大本気)
再手術の決意も速攻、仕上がっていました。
ただし、再手術先の病院選びには、
小心者さゆえに大変、難航しましたが。

でもこの小粒な精神さが、功を奏したとも言えるかと。
それで、言わせて頂きたい。
はるみ様、
どうか、片側顔面痙攣に負けないで下さい。
<死ぬ>程の恐ろしいことへ向かえる思いが浮かばれるなら、
それをどうか<痙攣撲滅>へ転換なさって頂きたいです!
<死ぬ>より再手術で痙攣消滅へ向かわれる方が、
絶対に大事で大切なことです!
痙攣に負けないで下さい!
私はいつも「くっそー!ちくしょー!コンニャローッ!」と、
片側顔面痙攣に、怒りまくっていました。
そしていつも「いつか、いつの日かきっと必ずや、
てめえをバッキバキに潰してやる!」と思っていました。
そういう脳神経外科医に出会って、
手術でバッキバキに潰して貰うんだ!と、怒りまくっていました。
これは本当に、臆病者の反対側なのです(苦笑)

はるみ様。
お気持ちは私も泣けて来るほど、よくよく分かります(涙)
でも。
きっとどこかに、治して下さる医師がいます!
その医師にどうか、出会われますように!

私は、再手術を強くお勧めしたいです。
もし、
もし数年後、また再発の再発の憂き目にあったとしたら。
私はきっと3度目の再手術に挑むと思います。
絶叫したくなるほどそれはもう断固、イヤですけれども(涙)
それでもきっと私は、自分の運命の過酷さに
泣き叫びながらも、手術にまた挑むと思います。
それくらいに、片側顔面痙攣を、
コテンパンにのしてやりたい!と思っているからです。
こんなクソみたいな痙攣に、
やられたい放題にされてばかりで、たまるか!です。
涙と鼻水でぐじゅぐじゅになっていても、です!

私の人生を、私のものに、取り戻したい。
片側顔面痙攣に奪われたくない!
私のすべての人生を、ヤツらから奪還する!!!
泣いて、叫んで、へっぽこな私ですが、
それでも、です。

はるみ様、どうかお気持ちをしっかりお持ちになって!
立ち向かう、などという強い言葉は、私には使えません。
ヨロヨロ、よろめきながら、私は
なんとかちょっと斜め前に、向かって動きました(失笑)
はるみ様も、この辺りで、如何でしょうか。
それでも、きっと、
お気持ちだけは、負けないで!
ご声援、陰ながら送らせて頂きます!!!(エベレスト並みの山盛りで)
2017-10-31 21:35 : lou.c URL : 編集
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プロフィール

lou.c

Author:lou.c
2013年10月、片側顔面痙攣で開頭手術を受けました。煩わしかった痙攣から解放された☆と思いきや、術後約1年数ヵ月後、また魔の痙攣が始まりました…
この症状について、さらには病というモノなどについて、さらにさらにはいろいろよしなにごとを書き綴りたいと思います。

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