再手術への道/A病院編2

近県にある大病院での、
初受診をした、若い脳神経外科医は、
熱意を持った風情で、あたしの話を聞いてくれた。

あたしは、顔面痙攣をもう、
隠すことなく(出来ないけどね:失笑)
顔をそっと背けることも、遠慮もなく、
医師の目前で、おおっぴらに、痙攣具合を開示していた。

医師は、さすが医師。
あたしのそんな、揺れに揺れる右顔面を
気にすることもなく、ただただ目を見て、話をしてくれた。
立派なもんだなあと、あたしは、つくづく感心した。

あたしはさらに、もう臆することなく、
聞いてみたいことを、質問させて頂いた。
なにせこちとら再手術(←クドい)
遠慮なんかしてる場合では、ないのだ。


一番聞いてみたかったことは、もちろんこれ。
<再手術で完治出来る可能性と、そのパーセンテージ>だ。
質問は、これしかないと言ってもいい。

医師談。

「以前の手術前にご説明を受けられたかと思いますが。
だいたい、手術をして
治るのは、当医院では、90~95%です。
残念ながら、2度目の再手術になるとパーセンテージは低下します。
治る確率は、80~90%といった具合でしょうか」

医師は続けた。
こちらも、以前おそらく説明をお受けになったかと思いますが、と。

せっかく手術まで挑まれたのに、
たいへん残念なことではありますが、
まったく治らない患者さんも、おられます。
開頭したけど、原因がさっぱり分からなかったりという、
ものすごく残念な方も5%程、おられるのが現実です。

どんな手術にも、完全ということはありません。
これは片側顔面痙攣だけでなく、何においてもです。
どの手術でも、
どうしても10~20%程の、完治仕切れなかった、が、あります。
こればかりは、どうにも。
本当に正直な現実なのです。

片側顔面痙攣で、開頭手術をしたときに、
術後、聴覚に支障が出たり、
嚥下する能力に支障が出たり、
声がかすれたり、する。
こういった障害も、残念ですが出ることがあります。
顔面の麻痺、ということになってしまう場合もあります。
しかし、手術というものは、どうしても、リスクも伴うのです。
でも、それは、
2度目の再手術だから、そのリスクが大きくなる、
ということではありません。
1度目であれ、何度目であれ、
そのリスク負担は、変わる事はありません。


ああ先生。分かります。
よくよくよく、分かっておりますとも。

どこまで行っても、
付きまとって離れることのない、リスク。

後遺症といってもいい。
合併症といってもいい。
あるいは端的に、失敗、といってもいい。

これらは、永遠に、
手術へ挑むものへ、くっついてくる。
内側のどこかに、ぺったり。張り付いてる。
こればっかりは、
どんな名医で執刀を受けたって、同じこと。
リスクは、リスクとして、純然たるものとして、存在し続ける。


医師は、紙を使って、
「いまさら、かもしれませんけども」と、
いろいろ説明をして下さった。
顔面痙攣が起こる仕組みや、理由。
脳幹や血管、聴覚神経等のあれこれを。
あたしは、聞きながら、
書いて下さる図解を見つめながら、改めて、
この片側顔面痙攣の”謎”を、感じた気がした。
世界中の脳神経外科医たちのよって、
症状の原因がこうまで明確に”推測”出来るのに、
それでも、治る場合と治らない場合があるのだから。

ケースバイケース。

永遠の迷宮なのだった。。。

でも、MRI画像を見つめながら、
医師がこう言ってくれた。

「この辺りとこの辺りが、怪しい感じがします。
もしかしたら、この奥も怪しいかもしれません。
だから」

だから。

「再手術を選択される価値は、
あるのではないか。
手術しても無駄、ということはないのではないか。
私は、そう思います」



先生。
今日、たった今しがたお会いしたばかりの先生だけど。
先生。
どうもありがとう。
その一言、巨大。
ものすごい勇気出ました。
ほんとに。
どうもありがとう☆!(感激で涙出ちゃった)


「こちらの病院で、再手術をされる方というのは、
おられるのでしょうか」と、あたしは聞いた。
1万人に1人くらいの発症率な、この片側顔面痙攣。
東京ドームが観客で満員になっても、
そんな中1人いるかいないか、だ。
さらには、再発。
こんな憂き目に遭っていて、
さらにさらには、再手術をするという患者。
どのくらいおられるのでしょうか?

「結構いらっしゃいます」 医師。

えっそうなの?!
マジっすか?!(←心の中の声です)

「結構いらっしゃいますよ、ほんとに。
当医院では、年間そうですねえ。
再手術の方はどのくらいだったかなあ…
(パソコン検索して下さったけど、瞬時にデータ出ず?)
1度目の手術の方は、年間90~100名くらいです。
三叉神経の開頭手術も含みますが。
同じ片側顔面痙攣での、再手術の方も、結構あります。
再手術の患者さんは、今月は今のところ1名おられますね。
毎月もうちょっと、おられます」

そうですかそうなんですか。。。
何だか、感慨深くなった。
あたしだけじゃないんだなあ、と思った。
再手術に挑もうとしているのは。
見知らぬお仲間は、世間に、存在してくれている。

そして。
医師へ、最大に恐ろしい質問をする。

「2度目でもまた再発をしたとして。
そうなるともちろん無念ですけど、
3度目の手術ということも、あるのでしょうか」

2度目あることは、なんて。
恐ろしい言葉がある。
一生くちにしたくない。
それが無理でも、せめて、今は。

医師は、するっとこう答えた。

「おられますよ。
僕が知る限り、4度手術された患者さんがいます。
3度、違う病院で手術をされて、治らなかった。
で、4度目をすると、当院へ来られて、
手術されて、完治、という患者さんがおられます」

げーっ!げっげっげげーーーっ!!!(大仰天)
よ、よよよよよ、4度も

あの、開頭手術をされたというのーーーっ!!!(絶句)
すっごーい!!!ド根性ーーーっ!!!
治したいという執念ーーーっ!!!
ひれ伏す!!!!!

大驚愕、と同時に。

4度も同じ場所、メス入れて穴、開けられるんだ?!
ゴリゴリと骨切ってるけど、出来るんだ?!

「出来ますね。
ただし1年程度は、開けた方がいいですが」
と、医師。

すごい。
凄すぎる。。。
強烈な事例紹介に、クラクラ…
でも。
でも、やっぱり「治したい」と、強く強く思う人がいて、
何度も完治を目指して、手術に挑んでいる。
片側顔面痙攣に、立ち向かっている人がいる。
決してあきらめない人がいる。

”人生はあきらめも肝心”

あきらめないで、あきらめないで、と言われるごとに、
いやいやないし。
みんながみんな、
あきらめなかったら成し遂げることが出来る、なんての、ないし。
そう思ってる。
そんなことを、いつもは思っているあたしだけれど、
この痙攣の消滅を願って
あきらめない人がいるってことを知って、
陳腐な言い方だけど、尊敬した。
あたしとは、違う人。
だから、すごく、尊敬した。

でも、今回ばかりは、
あたしもちょっとだけ、
そっち側のスタンスへ立ちたいと思う。
実情はやっぱりそうは思ってても、
ヨレヨレのヨワヨワのへっぴり腰、だけど。




以下まだまだつづく(ブログも慎重:苦笑) →




088po.jpg





スポンサーサイト
2017-03-15 : 片側顔面痙攣のこと : コメント : 3 :
コメントの投稿
非公開コメント

No title
頑張っておられますね!!私もこのまま2年たっても治らなかったら、再手術にいどみます!!たぶん… 怖いけと… 手術が、じゃなく治るかが…
2017-03-15 17:06 : URL : 編集
Re: お名前のないあなたさまへ
お名前のないあなたさまへ、

お立ち寄り下さり、有難うございます☆

あなたさまも、片側顔面痙攣の手術をなさったのですね。
本当につらい手術ですよね。
お疲れ様でした。

いつ手術をなさったのか存じませんが、
本当に私のかつての執刀医が、
くどいほど「少なくとも2年程度は、経過観察を」と
言っていました。
また、どなたかのブログをどこかで拝見した際に、
その方は確か3年だったか4年だったかの術後、
あるとき急にパッタリ痙攣が止まった、とあった記憶が。
神秘といえば神秘(聞こえは素敵風ですね:苦笑)
謎といえば、本当に謎、なこの痙攣症状。
って、ムカムカしますよね!
もー勝手に痙攣すんな!
私の体内の動きは私が許可してから、行動せよ!みたいな(笑)
ねえ?

私も、再手術まで挑戦して、完治しなかったら…と思うと、
ゾッとします。恐怖以外の何ものでもありません。
深く考え出すと、マイナスイメージだけに囚われてしまって、
ひとりで凹んでます。
でも。
でも、この痙攣を消滅させるには、あの手術しかない。
これだけは、決まっているので。
くっそー!!!と思っていますが。
こんなに科学だとか医療だとか進歩している
であろう時代だというのに!もーっ!と。
お薬1個でハイ消滅☆とかってなれよー!なんて。
凹みながら悪態吐いてます(失笑)

まだ術後2年経過されて、おられないご様子ですので、
どうぞお気持ちをおおらかに持って、お過ごし下さい。
あるとき「あれれ?痙攣が消えてる?!」
と、あなたさまがなられますことを、
心のそこからお祈り申し上げております☆
2017-03-15 20:08 : lou.c URL : 編集
Re: 鍵コメント様へ
鍵コメント様、

初めまして。
お立ち寄り下さり、有難うございます☆

手術をするタイミングって、本当に難しいですよね。
私は、1度目のときには、
両親の高齢化が進んでいるので、
いらぬ心配をどさっとかけちゃうことになるなら、
少しでも年齢が若いうちに、と思って。
もちろん、自分自身も少しでも若い方が、
体力もあるだろうから、と、決意しました。

でも、おうちの事情や、勤め先にも
相談したり根回ししたりせねばならないですし、
自分だけの都合では、長期間の入院なんて、出来ませんよね。
お子さんの子育て真っ最中の方や、
両親の介護などなさっておられる方などは、
もう本当に、お気持ちお察し致しますもの。
ご苦労もご心労もどれほどか、と。

術後、症状が少しでも改善なさっておられるようですね。
それだけを、心のうんと中心に据えておかれましたら、
気持ちのバランスも取りやすくなられますよね。

でも、それ以上に、
まだまだ術後の日が浅くてらっしゃるので、
まだまだ完治の希望は、十分おありだと思います!
お気持ちをどうぞ、穏やかになさって、
その完治の日をお迎えになられますことを。
遠くから私も、心のそこからお祈り申し上げております☆

暖かいお言葉もお寄せ下さり、有難うございました。
感謝しております。
感動しております。
有難うございました☆
2017-03-15 20:19 : lou.c URL : 編集
« next  ホーム  prev »

プロフィール

lou.c

Author:lou.c
2013年10月、片側顔面痙攣で開頭手術を受けました。煩わしかった痙攣から解放された☆と思いきや、術後約1年数ヵ月後、また魔の痙攣が始まりました…
この症状について、さらには病というモノなどについて、さらにさらにはいろいろよしなにごとを書き綴りたいと思います。

カウンター

ランキングに参加しています

ランキング参加中です。宜しくお願いします。