片側顔面痙攣:再手術への道・1

片側顔面痙攣の開頭手術をしたのが、
2013年10月。

痙攣再発を痛烈に実感したのが、
2015年1月。

そして。
片側顔面痙攣の<再手術>を、前向きに考え始めている。
これが今。
2017年1月。
今。


母と、遠方へ外出してたときのこと。
それは、電車に乗って、走行中揺られながら
おしゃべりをしていたときのことだった。
母が、ふっと。
静かに言って来た。
「右目。
つらいの…?」と。

ああ。
ああついにのんきな母親が、口にしたなあ。。。
そう、思った。
なんというか。
何かこう”観念した”気持ち、とでもいうか(苦笑)

「右目、辛いの…?
何度も瞬きしてるし。
また酷く痙攣が出てるの…?」

そうなのよ、母。
そうなの。
緊張しているつもりはないけど、
やはり母とおしゃべりをするときにも、
「痙攣がバレちゃうかな」と、気にしながら話していた。
痙攣が強く出るときには、痙攣のある右側の
顔の角度を変えて話したり、
大きな笑顔にして目を閉じ気味にしてみたり。
母の指摘が指摘をして来た、瞬きをしてみたり。
相手に顔面痙攣が少しでもバレないように、
私なりに創意工夫(苦笑)しているんだけど。
たぶん、相手は分かってるんだなあ、と思った。
≪この人、右目、すごくピクピクしてるなあ≫と。

そのピクピクの原因は、
おそらく多くの人は、眼精疲労なんだろうなと、
思っているに違いない。
あるいは、極度の寝不足とか。
とにかく、疲労から来るピクピクだろうと。
自分にも割とよくある、の”あるある”で。

母は「つらいの?」とまた言うので、
私は「つらいよ」と答えた。

つらいよ。
ものすごくつらいよ。
痙攣してぎゅうぎゅう右目が引きつるのは、
本当につらいよ。
ものすごく煩わしいし、鬱々とするよ。
気が滅入るし、どうしようもなくヤだよ。

そこまで、気持ちの全部は、もちろん
母には吐露しなかった。
けれど、母には正直に「そりゃあつらいよ」と、言った。

乗車している電車はどの車両も、ずいぶん込んでいた。
でもこの電車に乗っている人の中で、
片側顔面痙攣の症状を持つ人は、たぶん、私だけだと思った。
東京ドーム収容人数がいっぱいになったら55000人。
それでも5人、いるかいないかの、この症状。
たぶん、どこにも、そうは、いないよ。

「手術までしたのにね…」と母が残念そうにつぶやいて、
そしてこうつけた。
「申し訳ない」

母に、これを言われることが、私は一番、つらい。
症状をつらいと思う以上に、つらくて、切ない。
母は、なんにも悪くない。
これは、私の持って生まれた運命なだけだ。

「再手術は、怖いわよね」と、母が言った。
ううん。
ううん、怖くはないの。
私は母に、話した。

開頭手術の、再手術自体は何の恐怖もないの。
もちろんあの壮絶な術後の苦しみは、イヤだけど、
でも、それが怖いとは違うの。
私が恐れているのは、
再手術をして、また痙攣がまた再発したらって思うこと。
再手術をしたのに、またもやまたまたまたもや、の
痙攣が再発がしたら。
そう思うときの、その絶望感が、恐ろしくてたまらないの。
また手術までしたのに、
また前とおんなじ。
だったらしなきゃよかった。
これが、最大に怖くて怖くてたまらないことなのよ。


でも。
母が、ぽつっとこう言ったとき、
私の気持ちに、小さな明かりが灯った気がした。

「でも、あなたはまだ若いのよ。
じゅうぶん、まだ若くて、
まだこの先、じゅうぶん人生もまだあるのよ。
このつらいまんまで?」

つらいまんまで<いいの?>とまでは、
母は言わなかった。
でも、私にはこの、つらいまんまで<いいのか?>と、
聞かれていると、感じた。

<このままでいいの?>
いや。
いや、よくない。
ちっとも、よくない。
いいわけがない。
でも四十路もばーんともう越えてるし。
もしも私が20代とかの若さだったなら、惜しい。
30代だって、もちろん惜しい。
でもまって。
40代だって、
50代だって、まだこの先の人生はまだ、あるはず。
私の寿命がどれまでかなんて、もちろん分かるわきゃないけども。
でも、まだ今ならまだあると思う。
いつかは、死ぬ。
いつかは死ぬけど、それまで、
死ぬまでの年月、このままでいいの?
いや、イイ訳ないと、思ってる。
てか、
母にそう言われて、
イイ訳ないよなあって、思った。

こうパソコンに文字を打ち込みながら、
右目がぎゅうぎゅうしている。
こんにゃろめ!
勝手に痙攣しやがって!(怒)
許可なく痙攣すんな!(憤)


再手術を、いつか、しようと思う。

決めた。
しようと思う。

病院探しをしようと思う。
同じ病院ではもうやらない。
これだけは確定してる。
執刀医に悪口はないけど、治して貰えなかったという
無念さの感情が、再受診の邪魔をする。
それに、当時「再発したとしても、再手術は難しい」
というような、消極的なことを言っていたし。
そこでの再手術に挑む気持ちは生じない。

病院探し。
再手術だから、ある意味、執刀医の言うことは正しいだろうと思う。
再手術を積極的に引き受けてくれる医者は、
そう多くいないと思う。
それでも、探してみようと決めた。
決めたんである。
探してみる。
どうやって???
まずはこの時勢だから、ネット検索から始めてみる。
前回のときももちろん、始まりはそこからだった。
ただその前に、実家からそう遠くないこと、を重要視していた。
高齢になって来ている両親が、
きっと毎日見舞いに来てくれるはず。
だから、少しでも負担をかけないようにと。
出来るだけ近く、交通の便の良い病院を、と思って探した。

でも、今回。
2度目は違うようにする。
一人で入院を頑張る。
近県も視野に入れる。
ただし、たくさん病院のある大都心・東京までは行かない。
術後気がかりなことが起きても、相談したいことが発生しても、
やすやすとは、私の地方から、東京までは出かけられないから。
だから、近県。
電車で1時間以内程度の近県なら、
勤めを休んで午前中受診も行ける。
ゴッドハンド的なことを言われているお医者も、気に留めない。
これを言い出すと、まあどの病院で
どの脳神経外科医でも、同じなんだけど。
<運命>

父の知り合いで2人。
足が悪くなって、となりの県にいる名医に、かかった。
足の手術ならあの先生。
そう大評判のゴッドハンドな、お医者。
たっての希望で手術を依頼し、何ヶ月間にも及んで順番待ちもした。
結果、2人とも、症状が変わらなかったという。
再診したら、その名医医者に、
「あなたには、痛みに耐える辛抱が足らないのです」と一蹴されたという。
気持ちの問題かよ、おい、という。
でも、名医と選んで行ったのは、自分たちだから。
治る患者はたくさんいるのだから。
だから<運命>
大きな、大きな、
どうしようも自分では出来ない、大きなもの。
持って生まれた<運命>
変えようも出来ない。
陳腐な小説や、軽々しい啓蒙作家は
しょっちゅう言うけど。
「運命は努力で、自分しだいで変えられる」
変えられるかバカもん。
仕事先のことや恋や結婚のことなんかで、
もうなんかと言う、言っちゃう、
仕事や恋愛のことなんかで、いちいち<運命>運命いうな。
大袈裟に、そして、簡単にそう<運命>を使うな。
自分で選んで、変えられることに<運命>を使うな。
自分ではどうにも出来ない、
自分ではどうすることも出来ない、
どう頑張っても、どう抗おうにも何も手立てがない。
本当に自分の意思ではどうにも出来ないことのときにのみ、使え。


「頭蓋骨に穴、開ける人なんて、そういないよねえ」と私が言うと、
母は大笑いした。
笑ってくれるとうれしい。
「それが2度も、頭蓋骨に穴開けるなんてさ。
もっともっといないよね」

2度、頭蓋骨に穴を開ける<運命>が私の運命なら。
受けてやろうじゃあないの。
と。
へっぴり腰で、ちょっと、そう思った。
弱腰で、ちょっと、そう思い始めたところ。
だから『再手術への道』
道のりの入り口に立ったばっかり、のところ。
道がいくつも見える、ような気がしてるところ。
さて、どうするか。
幸いなことには、この片側顔面痙攣では、
命までは死神にも必要としない症状だから、
たちまちにどうこう!ではない。
それが幸いなことだと思う。

病院探し。
医師との相性検討。
手術入院の日程調整。
会社上司への相談。
店長へも職場を休職する相談。
家族への報告。
愛犬への、報告(これが最大に悲しい…)

ロード・トゥ・片側顔面痙攣・再手術

私の人生は、
たぶんまだちょっぴり、続いてゆくと思うから。



近所に咲いていた、たぶん蠟梅。
きれいだと眺める右目が、
いつか痙攣のない目であるようにと、願う。



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2017-01-27 : 片側顔面痙攣のこと : コメント : 1 :
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Re: 暖かいお言葉、ありがとうございます☆
鍵コメント様、

お立ち寄り下さり、ありがとうございます。

<再手術>を決意しましたが、
まだまだ重い腰をヨッコラセと、
あげようとし始めたところですけれども(苦笑)
はい、その方向で行こうと思いました。

> 応援してます。
> 祈ってます。

本当にどうもありがとうございます!☆
暖かいお言葉を頂いて、感激です。

病院選びは、相当に難問です。
ネットで見た気になる総合病院たちは、
いちように「紹介状必須」で、
電話口対応でもケンモホロロだったりして、
脳神経外科受診の前段階で、壁ーっという感じです。
どうなるのかしらんと思っておりますが。
明日にもどうにかせねばならん!というような、
気持ちの焦りはないので、
まあまあまあ。
2度目ですので、
気長にとまでは申しませんが、焦らず。
かつ、2度目ですので、1度目以上に慎重にいこうと。

どういう速度で再手術へ向かうのか、
分かりませんが、ブログ記事で
心情吐露して行きます。
またお気が向かれましたら、お立ち寄り頂いて、
ああこんな感じにやってるんだな、とでも、
覗いて頂けましたら、と思います。

思いやり溢れるお言葉、
本当にありがとうございました!☆
2017-01-28 01:40 : lou.c URL : 編集
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プロフィール

lou.c

Author:lou.c
2013年10月、片側顔面痙攣で開頭手術を受けました。煩わしかった痙攣から解放された☆と思いきや、術後約1年数ヵ月後、また魔の痙攣が始まりました…
この症状について、さらには病というモノなどについて、さらにさらにはいろいろよしなにごとを書き綴りたいと思います。

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