ねばまいん方式

あたしが多感な子どものころ、
<ビョーキ>という言葉が大流行してた。

この間発表された『流行語大賞』より、
もっと日本全国、老いも若きも、知っていたし、使ってたと思う。
<ビョーキ>
ちょっと尋常ではない状態だとか、
ふつうではない行動だとか、そういうの、を
感じさせる人に対して、ネガティブに使ってたような、記憶がある。

今の2016年現在だと、
たぶん、大問題になって流行るどころか、
大バッシングにあう言葉だろうなあ。


あたしは自分のことしか知らないから(当然)
よく分からないけれど、
ときどき<ビョーキ>になる。
気持ちが元気なときは、思いもよらないけど、
体調不良(ずばり生理前や、風邪、疲労がたまってる)の
ときなんぞに、ふいっと、なる。

片側顔面痙攣の、痙攣から来る、顔の引きつれのことや、
歪みのせいで、右目がしぼんで、見難くなるときとか。
ふだん、然程気にしないで済んでることも(←半ば諦めてるから)
体調不良のときは、ものすごくイライラする。
どうにもこうにも、落ち込むことも、ある。
とにかく、何をしてても、心がそこへ行ってしまって、
うんと気が滅入る。
<ほとんど ビョーキ>
たとえば勤め先で、瑣末なことに追われ、
精神的に疲労困憊してしまうことも、現代社会。
生きてりゃ、ある。
そんなときも、なる。

<ビョーキ>が出ると、どうしようもない。

「来年の今頃には、
次期町内会の役員選出の会議に、出席要請が来て、
強制的に有無を言わさず、
町内会会長か副会長のどっちかの役目を、突きつけられるんだ…」
親がもう十二分に超高齢になっている今、
そして町内全体高齢者しかいない現状、
もはや引き受けざるを得ない…
断ることができない環境…
ものすごい外圧…
という、1年も先のことを思い悩んで、
今から悶々としたりする。
来年の今頃には、なんていう不確定といやあ
不確定な未来のことなのに、だ。
でも、その日は必ず来るんだもん!(泣)
考え出すと、止まらないこれ。
<ほとんど ビョーキ>


<ビョーキ>という言葉が大流行していたころ、
戸川純さんという、役者さんであり歌手の女性がいた。
おとこもおんなも、紋切り型のアイドル全盛期の時代。
戸川純さんは、
個性的な声と、独創的なファッションで、異彩を放っていた。
CMやドラマとかにも、比較的出演されていて、
子どものあたしは、とても気になるひととして、
当時ちょっと気にして、雑誌のインタビューとか、
追いかけて、よく読んだ。

そのときの一文を、あたしなりに、覚えてる。

小学校のころ、強迫観念みたいなものが強くあって。
たとえば、階段をのぼるとき、
2歩のぼっては、1歩またおりて、
2歩あがってはまた1歩さがって、を
繰り返さないとダメだった。
「自分でも、何でこんなつらいことをしなきゃ
いけないんだろうって、
泣きながら階段で、毎日それをしてました」

昔は<ビョーキ>だけだったと思う。
流行語だけの意味・だけじゃなく、世間の常識的にも、
医療界での説明でもなんでも。
”花粉症”というワードすら、当時は無かった。
どれもこれもみんな”アレルギー”のただ一文字だった。
”ハウスダスト”も”シックハウス”も何も何も、無かったころ。
気持ちの病は、たいがい”ストレス”で片付けられてた。
そういう時代。

人気モデルの栗原類さんが、自身の障害を本にされたという
記事をどこかで、読んだ。
そのときの文言で、たしか、
「冷蔵庫に、いつも同じ場所に、
オレンジジュースが置かれていないと、
気になって気になって仕方が無くて。
外出先からタクシーで帰宅して、
いつもの位置へ戻したこともある」
みたいなことがあった、と思う(たしか)。

知り合いの息子くんで、
自分の真横に、大好きな大好きなとある1冊の本を、
必ず広げて置いておかなきゃ、気がすまない、という子がいる。

親戚のおとうさんで、
毎週土曜日の早朝には、必ず絶対の絶対に、
家中雑巾がけをすると決めて、生きている人がいる。
たぶんもうそれは50年間は、続いてると聞く。

『イエペは ぼうしがだいすき』という外国の絵本。
デンマークの絵本。
イエペくんは、お気に入りの茶色い帽子をいつもかぶっていて。
朝ごはんを食べるときとお風呂のとき以外は、
いつもその帽子をかぶってる。
イエペくんの”個性”として、暖かく見守る周囲のおとなたち。
なんて素敵なの、と胸がじいんとなる。
ルパン三世の相棒、次元だって、帽子がなきゃ生きてゆけない。

いろんな<ビョーキ>がある。
この現代では、それはものすごく
微細に細分化されているし、されてゆく。
細切れになってなってなってゆく<ビョーキ>たち。
専門家が出て来て研究したり、
それぞれに”名前”がつけられる。
そういうことが、全部まるごと、良いことなのか、
マズいことかなのかは、分からないけど。

あたしの<ほとんど ビョーキ>も
細かくちぎってちぎってちぎってちぎって、
ぱあーっと飛ばしたい。
そう思うときだって、そりゃああるさと。
≪ねばまいん方式≫と命名しようと思う。
来年のことを思い悩んだりして、
鬼に笑われたりしても、そういう日もあるんだと、鬼にも言う。
簡単に笑わないでよね、と。
いろいろあんのよ。
ねばまいん。
いろんなこと。ねばまいん。



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2016-12-05 : よしなし雑記 : コメント : 0 :
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lou.c

Author:lou.c
2013年10月、片側顔面痙攣で開頭手術を受けました。煩わしかった痙攣から解放された☆と思いきや、術後約1年数ヵ月後、また魔の痙攣が始まりました…
この症状について、さらには病というモノなどについて、さらにさらにはいろいろよしなにごとを書き綴りたいと思います。

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