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憧れは、質の良い・鈍感。

勤め先の年下同僚女子Aちゃんが、
強面の(失笑)ベテラン女子先輩に、
バリバリ注意を受けていたらしい。

その様子を、終始遠巻きに目撃していた、という、
あたしと似たような年齢の、これまた同僚女子が、
「そりゃもう酷い言われようだったわよ!
ねちねちとどうでもイイようなことを、
延々ビチビチ注意してて。
メッチャこっぴどく言われまくってたから、心配だよ。
凹んでないといいんだけど、Aちゃん…」
などと深刻そうに心配してた。

翌日、Aちゃんと更衣室で出会ったとき、
あたしは、ハッと、その話のことを思い出し、
「大丈夫?
あんまり気にしないのが、イイよ」
なんて、さらっと声援を送ってみたら、
Aちゃん、こう。

「は???」

まるで、いったい何のこと???と、
正しく立派な<キョトン顔>を、した。

へ?あれっ?ん?
ベテラン先輩に、こっぴどく、注意という名ばかりの、
極悪叱責みたいなこと、受けたんじゃなかったっけ???

そう、Aちゃんに、今度はあたしが、はれっ??と聞くと、
Aちゃん。
本当にすごい。

「え?
あれっ?
そうでしたか?あたし」
と来た。

えーっ結構な勢いで、心配してたよ?○○さん。
落ち込んでないといいけどって、
あなたの深刻話、聞いたんだけどな。

そう言うと、よーやくAちゃん。
「ああああ思い出しました!☆
ああ~ハイハイハイ!
そうですね、そうですそうです。
注意指導受けました受けました!」

で。
こう言ったんである。
「いっつも注意受けてるから、
忘れてました(テレ笑)」


いやあ~スゴイなあ☆と。
あたしは、ある意味、ものすごく感動した。
この、右から左感!
いやあ~お見事☆

年下同僚Bちゃんも、これそっくり。
指導がしつっこい先輩から、
延々注意を受けていたBちゃん。
相乗りした、エレベーター内で、
「さっきは面倒くさい言い回しの注意で。
あんな風に言われるのって、ホント、
うっとおしいよねえ」
そう言ったあたしに、Bちゃん、しれ~っと。

「あれっ?
わたし、何か言われてました???」


・・・いやいやいや。
ソレないし(苦笑)
めっちゃ、厳重注意、言われてたじゃん(苦笑)

「あ~はいはい、さっきのアレですね!」
(だからーそう最初から言って、心配してんじゃん:苦笑)
そして、ほがらかにこう言って、大スマイル☆
「ぜんぜん気にしてないでっす♪」

このド級のド厚かましさ、というか(苦笑)
周辺と自分の、切り離れ感のハンパなさ、というか。
清々しい(笑)
諸先輩らの注意指導が、
まったくココロに”届いてない”のも、爽やか(笑)
(↑そもそもが、内容なんて無意味かっ!てほど、
指導が大袈裟過ぎだから、こうなるんだよ)
ちょっぴり、びっくりするけど(笑)
でも、すごくいいなあと、思う。

Aちゃんも、Bちゃんも、
もとがとても、真面目で良い子たちだから、なんだけど。
質の良い、素直な鈍感さ、という感じが、いい。

あたしの場合、たとえば、何か注意を受けたとする。
そのとき、凹む。
凹むのは、言っちゃうと、
失態をした自分への、落ち込みだ。
失敗しちゃってすみません、なんかじゃなく、
失敗した自分を見せちゃったことに対して、の、ガックリ。
要するにプライド。
それも、珍妙なやつ(苦笑)
あたしは、歪んでる。
でも、彼女たちは、歪んでない。
だから、素朴で、いいなあと率直に、そう思うのだ。

「大変じゃない?」
「いいえ、ぜんぜん~☆」

「つらくない?」
「ええ、ちっとも~☆」

天上大風

そんな感じがする。
質のいいものは、何だって、だいたい、いい(笑)
ちょっと、憧れる。



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2017-03-30 : よしなし雑記 : コメント : 0 :

入院する用の、気持ち。

パソコンを買い換えようと思う。

今使っているのが、かなり古くて、
バッテリーも怪しくて、
充電してもしても、たちま<残りの電力僅か>になる。
で、思った。

「これじゃ、今度の入院のときに、
持ってけないな」

まだ何も確定していないのに、
”入院したら”の、周辺のくだらないことばかり、考えてる。

書店に行っても、
この本なら、入院時の読書に向くかも、だとか、
この雑誌なら、文章読むにはしんどいときでも、
写真がきれいだから、気休めになるかな、だとか。

ボディクリームのストックが切れかけてて、
今、大容量のを買っとくと、入院のとき
小分けに持ってけるしいいか、とか。

なにせ2度目のことだから。
2週間。
悶絶で、気絶しそうに壮絶な日々は、
3日間ほどだった前回。
今度は、どうだろう。。。
でも。
ちょっとでも、マシに、気力も体力も
落ち着いて来たら。
退屈しのぎに、
なってくれるかもしれないモノたちのことなんか、
考えたりして。

まったく、
いつ入院するかも分かんないのに。
てか。
まだ何も、何も、
どうするかも、何も、確定していないのに。
気持ちだけが、ぼんやり勝手に、そう、動き出している。

ただ、これだけは、と決めてることがある。
それは、
「ひとりで入院するという覚悟を持つ」ということ。

前回の入院時は、
家族がそのほとんどを、付き添っていてくれた。
家から近い病院を、わざわざ選んだのも、それがある。
心配性の両親や家族が、頻繁に来てくれるはずだから、
少しでも距離の負担がない方がいい。

けど、それは、あとから考えると、
家族のことを思っているふりして、
内実は、あたし自身の不安払拭のためだった。
少し、おとなとして、反省。

入院中は、本当に、だから、
こう言っちゃなんだけど、快適だった。

タオルや下着類は、全部家で洗濯して貰って、
いつだって清潔のものばかりだった。
中でも。
きれい好きの母は、何でもしゃきっとしてるのが好きだから、
パジャマの上下も、毎日アイロンがけ!の仕上がり。
さすがに、それはもういいよ(汗)と
何度も言ったんだけど、母、退院するまで終始止めず。

「入院中は、どうしても、弱って見えるから、
寝巻きくらい、せめてしゃきっとしてないと☆」

だから、あたしは入院していながら、
まるでホテル暮らしのような、
清潔で快適な2週間を、送った。

でも、今度は、違う。
それだけは分かる。
だって地元でない、近県の病院になるから。
(これだけは決定事項)

ほんとに近県、ではあるけれど、
それでもやはり、近くはない。
大きな街だし、田舎でふだん暮らす家族は、
しかも、今やずいぶん高齢になって来ているし、
見舞い通院は、苦労をかける。
だから、今回は、ひとりで、頑張ろうと思う。
頑張ってみようと思ってる。

それに。
これはきっと、今後のあたしの人生にも、
必ず役に立つことだと、思う。

寂しくて、悲しくて、どうにもつらいことだけど、
考えたくもないことだけど、
あたしの両親も、いつの日か、川の向こう岸へゆく。
もちろんあたしもだけど。
両親や家族の方が、たぶん、あたしより、先にゆくだろう。
そしたら、残ったあたしは、
何かあったとき、ひとりで入院を受け入れなければならない。

姉がいるけど、
姉には姉の家庭がある。
フルタイムで勤務する銀行員だし、
子供たちを見守る母親でもある。
亭主のある妻でもある。
めちゃめちゃ、多忙。
どうにもこうにも、のときの保証人には、
姉になって貰うことがあるかもしれないけど、
でも、実際の面倒は、かけられないし、かけたくない。

独身の友達たちと、ごはんなんか食べてるとき、
最近「お互い何かあったときには、助け合おうね」
そう言い合ってるけど、まだ現実感が正直、ない。
幸いなことに、今のところ。
「パンツの換え、持って来て。
寝室のあのタンスの一番下にあるから、とか。
そういうの、今度ノートに書いとくわ(笑)」
なんて、苦笑しながら、まだのんきに話してられてる。
幸いなことだと、ほんとに思う。
でも、いつか、遠慮なく頼みあえるように、
真剣に、気楽にお願い出来るように、
なっておくのがいい気がしている。

ひとりで、入退院するということ。

とにかく、これは、本当に、
この先のあたしには、切実な現実だと思ってる。


前回入院していたとき。
同じ病棟の同じフロアには、
肺ガン患者さんが入院されていた。

抗がん剤治療等で、数ヶ月に渡っての入退院を、
繰り返されていた方がたくさんおられて。
だから、みなさんの多くが、顔見知りでらした。
だから。

「あの人、ご家族がいないのよ」

なんて話を、ひそやかに、言われたりも、していた。

ものすごくよく覚えている。
とある男性のことだ。
60代くらいの方だったと思う。

「お見舞いに来る人が、誰もいないのよ」
「独り身だからね」
「もうじき退院されるけど、帰ってもひとりだから、
いろいろ大変よね」
「入院のままの方が、治療に専念出来ていいかも」

「お寂しいわよね」

お寂しいわよね。
これには、何だかあたし、
心底、参った。
心底、参ってしまったのだ。

その話をされていた皆さんは、みんな女性で、
みんな家族が大勢あった。
毎日夕方、様子を見に来られるご主人がいた方。
1日置き程度に、見舞いに来る娘さんがいたり、
3~4日ごとに身の回りの品の交換?に来る、
息子さん家族らしき人がいたり。

でも、そんな中でも、
とある女性は、
「主人も同じ癌治療中で、
自宅療養してる最中なのよ。
娘はひとりいるけど、
遠くに嫁いでるから、なかなかね」
そう言っていた方も、いらした。

家庭の事情は、
みんな、それぞれ、持っている。

当時、そして今もまだ、
幸いなことに、あたしには、家族がある。
でも、こどもはない。
だから、いつか、一人きりになる日が来る。
それを、引き受けねばならん日が必ず、やって来る。
だから。
だから、今から練習しとくんだ。
気持ちにまだ余裕があるうちに。

傷が痛いと、泣き言を言える
家族がいるうちに。
吐き気が嫌だと、つらさを訴えられる身内がいる間に。
練習しとくんだ。

「お寂しいわね」
なんて、言われてても、平気なように。
「おひとりで大変だわね」
なんて、言われてても、へっちゃらなように。
んなもん、
大きなお世話だと、思えるように。

たとえ子供がいたって、
あたしの友達みたいに、
外国に住んでたら、そう簡単に戻れないぞ。
とかも、思いつつ(苦笑)
親戚が多かったって、
仲が悪けりゃいないのと同じじゃん、とかね。

入院する用の、気持ちっていうのは、
すごく、いい体験だと思う。
あたしの人生に、いつか生きると思う。
「お寂しいわね」を、はじき飛ばす、訓練。
だから、今度は、ひとりで頑張ろうと、思ってる。
ちょっと、
泣いちゃうかもしんないけど(苦笑)




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2017-03-26 : 片側顔面痙攣のこと : コメント : 0 :

まわるまわる。

勤めからの帰り。

街中のバス停で、バスを待っていた。
この路線は、いつも、まともに来ない。

「晩ご飯のおかず、あれだけじゃあ少ないでしょ?
分かってるって。
だから、コロッケ買ったの。
5つでもう500円でいいって言うから。
え?
違う違う。
コロッケばっかよ。
いや分かってるけど。
明日も食べたらいいじゃない。
紫イモのやつ。
そう。
そうそれが5つ入ってんの。
いや違うのよ、聞いて。
あたしだって最初は、ふつうのコロッケと
カニクリームコロッケの入った5つ組のやつ、
買おうと思ってたわよ。
そう言ったわよ。
そのミックスのって。
いや。
うん。
いや、しょうがないじゃない!
あたしにそんな言ったってさ。
いや、ほんとはちゃんと注文したのはしたのよ?
そのミックスの5つ入りちょうだいって。
でも、さっき中身みたら、
紫イモばっかのやつだったのよ。
そうそう。
そう。
でもダメよ。
だってあたし、そのコロッケ、
袋ごと、地面に落っことしちゃって。
コロッケ2個崩れちゃったんだもん。
いやだから!
今日雨降ってんじゃない!
で、今日に限ってあたし、荷物多いのよ!
だから落としたのよ!
ふだんなら落とすことなんかないじゃないの!
当たり前じゃない!
いや違うって。
そうじゃなくって。
もう、明日も食べたらいいじゃない!
いやもう、店には戻せないって。
あたし、地面に落っことしちゃったんだってば!
紫イモので、いいじゃないー!
もー雨降ってるからだってばー!
知らないわよ、そんなこと!
あ。
バスよーやく来た。
10分遅れよ、もう。
あーはいはい。
詳しいことは帰ってから話すから」


あたしのまん前に立っていた女の人。
その横に立っていた男の人。
バスが到着して、乗車するとき、
男の人。

「よくもまああんだけ
くだらねえこと、
しゃべってられんな!。。。」



昔むかしの大昔の、若かったころ。
あたしは、バイト先のデザイン事務所の先輩と
パフォーマンス集団<ダムタイプ>の、とある公演を観に行った。

パフォーマーは、意味でいうならプロではなく、素人。
脚が長いわけでもないし、
体つきだって、華奢でもなく普通だし、
跳躍力だって、ふつう。
でも、大勢の目前でパフォーマンスをしている、という
自分への自己陶酔ぷりが、どの人にも、凄まじくあって、
それが、圧倒的に、美しかった。

そんな、パフォーマンスの途中で、
突如しゃしゃり出てきた感のある、
男性パフォーマーが、
えんえん、マイクパフォーマンスをし始めた。
内容は、確か、自己紹介だったか。
とにかくそんな、唐突で、無意味な感じで、
すごく違和感があった。

観劇後、先輩と、興奮しながら
良かったね、良かったよね、と言い合っているとき、
ふとあたしは言ってみた。
「でも、途中にあった、
あの男性の無意味な感じのおしゃべり?
あれ、要りました???」
そう言うと、先輩はこう言った。

「だからさ。
言葉はときに、無駄って。
そんなふうなこと、表現したかったんじゃない?」

さすが、おとな。
視点が違うー
そう、感じ入った、うんとうんと若いころのあたしだった。

ダムタイプのdumbは、
ダム・わーどの、ダムでもある。
かもしんないのかあと、思ったりもした、若い若いころ。

無駄な言葉が、今は、社会を回してる。
長く話せば話すだけ、社会がまわってく。





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2017-03-24 : よしなし雑記 : コメント : 0 :

再手術への道/B病院編

A病院に作成して貰った
<紹介状>とCDRを持って、B病院へ向かった。

初めて向かったB病院は、本当に巨大な病棟を持つ病院で、
正面入り口から入った最初の印象は、というと、
ずばり〝駅のターミナル〟

総合受付窓口が、どーんと有って、
大きいなあと感心しながら奥へ進むと、
精算窓口なんて、もうまさにJRの、
大混雑な、ビッグきっぷ売り場!
こんなに広い会計場所が必要なんだなあ!(驚愕)

そして、それぞれの科の待合も、
ソファが向こうの向こうの向こうの向こーーーうの方まで、
なみなみと連なって置かれていた。
本当に圧倒的なる、巨大病院。

脳神経外科で予約を持っていたけど、
予定時間を1時間半程超過して、
ようやくあたしの診察になった。

診察してくれた医師は、
とても誠実そうで、大病院の医師というイメージではなく、
親身になってくれる、素朴な個人病院の先生、という感じ。

悪くない。
でも。
さりとて。
良くもなし(苦笑)

<紹介状>もCDR画像も有るし、
あたしもまた、これまでの自身の経過詳細を
自分なりにまとめた一覧表を、
看護師さんにお預けしていたから、
それも読んで頂いていたようで、
話はつつがなくスムーズに進んだ。

結論から言ってしまうと。
B病院での再手術は、ないかなあ。。。
これが、今現在の心境。
ここではないのかなあ、という言葉が、思い浮かんだ。


まず。
こちらのB病院にいる、かなり高名な医師による
面談受診だと思っていたのだけど、違った。
受診日を、病院側から指定されたし、
かつ、その日はその、高名医師診察日で、
しかも完全予約制だったから。
きっとその医師なんだ、と思ってた。
けど、違った。
なんか、がっかりした(苦笑)

質疑応答になって、
もちろん質問をした。
「こちらの病院では、
年間何人か、再手術の方は、来られますでしょうか」

答え。

「うーん。そうですねえ。
ほとんどいないですねえ。
年間ひとりかふたり…かなあ

あれっ?そんなもん???
ネット検索では、何度か、
どなたかのコメントで「再手術に積極的らしい」とかって、
A病院と併せて、名前が挙がっていた気がするんだけど。。。

「他の病院で、手術をされたけれど、
残念ながら治りがよくなくて、来られて再手術、という方は
もちろんおられますけど、そんなにはしてないです」
という医師の言葉の向こうには、
1度目の手術で、
ほとんどの患者さんが完治されるんで。

そういう事が、あった。

「当院での経験から言いますと、
片側顔面痙攣の手術で、完治する割合は
90%程度です。
もちろん、この率は1度目ですよ。
2度目になると、若干低くなります。
でもそれは、全国どの病院でも、正直
その割合は同じだろうと思います。

残念ながら、手術をしても治らなかったという方は、
やはり1割程度はおられます。
聴力に支障が出てしまわれた方も、
たった1人だけですが、いらっしゃいます。
投薬などで、若干改善はされておられますけれど。
これも、だいたいどの病院でも同じだと思います。
もちろん、1度目の手術においては、です」

というように。
というような。

要するに、
この病院で最初に手術をして貰っていれば、
医師のいうところの「だいたいの患者さんは、
1度目の手術で治られますけどね」に入ったんだろう、なあ…と。
なんてね。
ふと思ってみたりしながら、あたしは、
なんとなく複雑な気持ちを持ちつつ、面談していた。

手術なんかに、れば・たら、はダメだけど。
わかっちゃいるけどねえ(若干、ため息…)

医師は続けて言った。

「再発の患者さんの理由の大半は、
私が思うに、
最初の手術のときに、
血管と神経が触れている箇所を、
全部探し切ることが出来ていなかった、だと思うんです。
癒着がどうとか、というよりもむしろね。
探し切れていなかったから、だと思うんです」

では先生。
あたしが今回、もし、再手術をしようと決めた場合、
治ると思われますか?

「うーん、
絶対と言えないのが、手術の難しさなんですけども。
うーん、そうですねえ。
治ると思いますけどねえ」

こちらでは、3度目などの、
さらに複数回再手術という方はおられるのでしょうか?

「いやあ、いないですねえ。
少なくとも私が執刀した患者さんでは、
ひとりもおられないですねえ。
だいたい1度目の手術で、うーん。
まあ、だいたいの方が治られているのでねえ。
90%位の患者さんが、完治されていますからねえ」

ご立派!
最初に出会っていたなら、
あたしも今頃完全に、痙攣から自由の身だったのかなあ。
と、思う反面、
先生。
でもね、先生。
こうして再発に悩んでいるキャリアーって、
世間にままいるんですよ、と。
世の中に、片側顔面痙攣の再発の辛さに、
嘆いているキャリアーって、
密かに、先生が思うよりたぶん、案外いるんですよ。
現にあたしがこうして、先生の目の前に。。。

世界的脳神経外科の権威なる医師、が、
このB病院には在籍されているようだけど、
あたしは、たぶんその医師には執刀を受けないんだろうなと思う。
診察をしてくれた医師が、今後も担当なんだろうなと思う。

医師は穏やかに、言った。

「この症状は、命には何ら関わりません。
このことは、ご存知ですよね。
このまま放置されても、
多少痙攣が酷くなるかもしれませんが、
でもそれ以上のことはありません。
もし、命に関わって来るようなものならば、
医者として手術を提案したりもしますが、
幸いこの症状は、それがありません。
だから、今後どうするかは、
どうしたいか、と患者さんがお決めになることなのです。

今すぐどうこう、ということもありませんから、
もう一度、じっくり今後について、
お考えになられては?
ご家族ともお話なさってみることも大事でしょう。
強くご希望されれば、もちろん手術は可能です。
でも、
<紹介状>を書いて下さって、
1度診察も受けられているA病院で、
再手術なさることも良いでしょうし、
地元の病院でなさってもいいかと思います。
もちろん当院でも、どこでも」

って、
はらっ?はれっ?
そんな程度のもんなのスか???
(ちょっぴり、キョトン:苦笑)
ふ、ふうん。。。。。

全体的なトーンとして、
こちらの医師から受けた印象は、とにかく。
「1度目の手術で、たいがいの方が完治」
こういう思いで執刀されているんだなあ、という印象を受けた。
それはすごいことだと思う。
すごい”腕に覚えあり”に思える。
一発でだいたいの人を、治している、という
力量というか、
辣腕というか。

クドいけど、1度目にこちらの病院へ来ていたら、
あたしも???
・・・・・
でも。
れば・たら、は、もうどこにも無いし、
いまさらどうにも出来ない。
夢想したって、所詮夢想。
無駄なことだ。

こちらのこの医師に、やはり、と、
よくよく考えて、再手術を願うか。
この、
2度目の手術でも「治ると思いますけどねえ」に賭けるか。

あるいは、
A病院の再手術の患者の
来院数と執刀数を、気持ちの支えに、
あちらで再手術を希望するか。
A病院では、最高責任者医師には、
まだ面会出来ていない。
あたしがここで希望する、と
申し出たら、そのように動き出すんではないか?と思ってる。
初回受診した際の医師が、執刀はおそらく
責任者になると思う、と。
そう言っていたから。


B病院の医師は、あたしが退室するとき、
優しく、こう、言った。

「再手術をこちらで、と思われましたら、
そのときは”診察”になります。
予約を取って頂いて、それから。
診察して頂いて、検査もしながら、
入院手続きの準備等もして行きます。
お考えになられる期間は、
こちらとしては特に期限を設けませんので、
よくよくお考えになられてみて下さい」


大きな大きな巨大・大病院だけど、
医師は、親しみのある方だったし、
良かったなと思う。
片側顔面痙攣についての成り立ちみたいなものも、
再三になりましょうが、と、
ちゃんと説明してくれた。
そして、正直だった。
「再手術ということで、
前回の術歴を見せて貰ったとしてもですね、
こればかりは実のところ、
正直言って、
(頭蓋骨の中身を)開けてみないと、
なんとも分からないのです。
これが、正直なところなのです」

これはもう、本当に、そうなんだろうな。
どこの病院、どの医者でも、同じことを言うだろうなあ。


巨大ターミナルの、巨大きっぷ売り場みたいな会計エリアで、
その日の会計を済ませ、病院をあとにした。

振り返って病院を見上げたら、
本当に超高層ビルディングだった。
あたしの暮らす街には、皆無のビルだ。
天空に届かんとす、の、
バベルの塔みたいだと思った。


A病院での次回診察予約を、確保している。
担当医が
「B病院へ行かれたり、
お考え直されたりされるかもしれませんが、
一応、予約確保しておきましょう。
気が向かれなくなったら、
ぜんぜんキャンセルなさって結構ですからね。
どこの病院で再手術なさるか、
どこの病院を診察されてみたいか、
いろいろお考えになられたらいいと思います」

あの病院、あの医者。
この医院、この医師。
こういうことが募りつのって、
重なってゆくと、社会問題になっている
”病院ジプシー”になるんだろう。

【藁にもすがる思い】

この言葉は、重い。
すごく、悩みを持つ者には、重い言葉だ。

でも、藁はやっぱり藁だった、になるかもしれないし、
藁だと思っていたけど、鉄筋だったに、なるかもしれない。
こればかりは、
それと出会えるのかどうかは、
おのれの持っている<運命>のような気がする。

バベルの塔を見上げながら、
マフラーを巻きなおした。
晴れてるのに、突風みたいな風の吹く日だった。




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2017-03-22 : 片側顔面痙攣のこと : コメント : 3 :

再手術への道/A病院編4

A病院の脳神経外科医は、たいへん親身になって、
あたしの話を聞いてくれた。

手術痕も見てくれたり。
ちなみに傷口を見て一言。
「ああ結構深く切っていますねえ」
などと。
(へ?
頭蓋骨に穴を開けるのに、
深いも浅いもあるの???不思議ー)
丁寧な説明に、真摯な対応。
本当に、診察して貰えて良かったなあと思う。

でも。
でも、あたしはまだ私はB病院
受診してみたい、と考えている。

このA病院もB病院も、近県でも相当大規模な病院。
そして、どちらも脳外科執刀数は多い。
在籍医師の人数も、相当いる。

B病院もぜひ、受診してみたい。

例の”紹介状”が必須アイテムな、病院。

思い切って、このA病院の医師に相談してみた。
包み隠さず、正直に話した。
「2度目の手術ということで、
病院選びを言わせて頂くことは、大変申し訳ないのですが、
選択肢はいくつか持ちたいのです。
なので。
執刀数の多いこちらの病院と併せて、
B病院も受診してみたいのですが」

そう申し出ると、医師はしごく自然に。
「当然そうでしょう。分かります」と言ってくれた。

「紹介状、書きますよ。
今から準備しますので、今日お持ちになって下さい。
MRI画像もCDRに、今から焼いてお渡しします。
それも一緒に、B病院へお持ちになって下さい。
ただ、
病院内でお待ち頂く時間が、また増えちゃいますけど。
ごめんなさいね!」

たはぁーと。
安堵の気持ちのかたまり、みたいなものが、
ほわーっと出てしまった。

「患者さんが望まれることに、
応えていくのは、医者として当然だと思います」


さすが大規模病院なだけあって、のことなのだと思う。
いろんなケースの患者が来院して来る。
それに対して病院側は、対応する。
これがしごく、スムーズなんだと、思う。
(待ち時間は膨大にかかるけど!!!フラフッラ…)

急遽の、MRI画像撮影の実施。
長く丁寧な問診と、質疑応答。
そして、瞬時の”紹介状”作成と画像受け渡し。
小さな病院では、こうはいかなかった気がする。

さらには。
この”紹介状”に添えるCDR作成待ちのその間に、
あたしは、B病院へ電話をした。
A病院施設内の、電話ボックスからだ(苦笑)

「初めてお電話します。
そちらの脳神経外科で、診察希望なのですが」

大代表の電話受付窓口に、そう告げると、
お待ちください、で脳神経外科の窓口へ繋いでくれた。
前回自宅から電話相談した際に、
ケンモホロロだったあの、窓口(笑)

前回同様、開口一番こうだった。
「紹介状はお持ちですか」
あたしは、自信を持って(笑)返事をした。

「はい。持っています」
紹介状もMRI画像も持っています。

そうお返事すると、
あれよあれよという間に、話が動き、
診察予約を取るまでに、ぱあーっと話が進んだ。
難攻不落だと思っていたけど、
ほんとにあっという間の、展開に。

電話口の看護師さんが、
当医院受診希望の詳細を、今、
差し支えなければ、少しお聞きしたい、と言われたから、
あたしは、ざっと伝えた。

片側顔面痙攣を発症し、
2013年に○○県の△△病院で、手術を受けたのですが、
2015年より再発となり、再手術を考え始めたのです。
執刀数の多いそちらの病院で、一度
ご相談診察して頂けたら、と思いまして。

すると、
少々このままお待ちください、と言われ、しばらく待った。
のち。
「相談される医師が、○曜日の医師が最適だろうと思いますので、
近日中の○曜日で、いらして下さい。
数ヶ月先になると、学会や研究会等の予定が入り、
出勤日が不明確になるので、
出来れば、近日中にいらして下さい」
それで、そのように、診察予約を、取った。


A病院の医師は、
「B病院も受診されて、
どちらの病院がフィーリングが合うか(笑)
これしかないですよね、決める理由は。
よくよく、お考えになられたらいいと思いますよ」と。
そう、言ってくれた。

先生、本当にどうもありがとう。
感謝しています。
本当にどうもありがとう。

決めかねている状況だから、
A病院の、次回診察予約も、取ってある。
医師が、そうしておいたらどうですか、と提案してくれたから。

「もしもB病院に行かれて、
そちらでもっと診察を進めたいと思われたら、
この予約は、遠慮なくキャンセルなさって下さい。
もし、どちらか決めかねると、悩まれたら、
キャンセルではなく延期になさったら、良いですよ」

このA病院を最初に受診して、ほんとに良かった。
この病院の、この医師のおかげで、
事がパタパタと、展開し始めたと思う。
感謝以外、ない。


近日B病院に、行って来る。
どんな、病院なんだろう。
そして、面会するのは、どんな医師なんだろう。
ドキドキする。
いろんな意味で、ドキドキする。





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2017-03-18 : 片側顔面痙攣のこと : コメント : 0 :

再手術への道/A病院編3

片側顔面痙攣で、無念の<再発>
に、なってしまう理由は、様々有るそうです。

ただ。
ここ数年来の研究により、
多くの医師が感じている<再発>理由は、ずばり。

【手術の際に、異物混入という形での処置法】


これは、かなりの再発のリスクが高いそうです。
今回受診した脳神経外科医は、そう、
サクッと、言われていました。

「現在の時点では、
血管を移動させる方式か、吊り上げて離す方式
これがもっとも、再発のリスクが少ないと考えられています。
ただし、これが最適だろうと考えてはいても、
患者さんの脳内の状態や状況によっては、
どうしてもそう処置出来ないことも、勿論あります。
こればかりは、開けて目視してみないと、分かりませんから。
でも異物混入は、将来的には、
もっとも選択しない方向の処置だろうと思われます」


ここで話は逸脱しますが。

私は、異物混入の術法でした。
今回、明確に知ったことなのですが、
それも、かなりレアケースな、術法だったようでした。

私の手術の執刀医は、事前説明と事後説明のとき、
こう言っていました。

「あなたの”首筋の筋肉組織”を少し削いで、取り、
それを脳幹と血管が触れているところへ挟み込みます。
あるいは、それを使って、引き離します。
これだと、もともとあなたの体の一部ですから、
異物混入ということではないので、拒絶反応も
一切出ない安全な方法です。
これは、米国で主にしている方法です」

そう、聞きました。
この執刀医は、長年米国の病院に勤務していたそうです。
それも脳神経外科が中心の医院だと、言われていました。
もっと言うと、この片側顔面痙攣の外科的手術を
最初に考案したジャネッタ医師の、孫弟子にあたるのだ、とも。
(ちなみにこの開頭手術の大きな名前は
医師の名前由来で”ジャネッタ法”と呼ばれています)


私は、当時そう説明を聞きながら、ふと、素人なりに、
「それって、血管と癒着しちゃって、
痙攣がふつうに伝わってしまうのでは?」と。
そう、ふっと、漠然とした疑問が過ぎりました。
なので、もちろんそう質問もしました。

が、医師からの説明としては、
「神経と血管が触れさえしなくなればよいので、
これでも十分なのです。
離すといっても、ほんの数ミリ単位の出来事での
話なのです」

「その方式を最優先としていて、
それが無理だった場合は、テフロン素材のクッションを
挟み込んだり、テープを用いたりしますが」
テフロン等は、とにかく”異物”だからと。

素人ですから。
でしたから当時。
(今はもう少し、この症例について調べて学んでいるつもりです)
だから、自信満々な米国帰りのその医師の説明に、
ああそういうものなのね、と思いました。

だから、納得して、執刀をお願いしました。
だから、当時のその医師を罵倒するつもりはありません。

私が、その病院を選択した理由があります。
ひとつは、同郷で、ネットのつてにより少し接触した方が、
この病院のこの医師の手術で、
すっきり完治されていたからです。
術後の経過も大変よく、痙攣はすべて消滅し、晴れ晴れとする
暮らしに戻られていたのです。
それは、とても大きな心の支えになりました。

そして、一番大きな理由は、
家から近かったこと。

高齢者になりつつある両親が、
必ずきっと私につきっきりで、病院に看護しに来るはず。
だったら、負担軽減のためにも、少しでも
自宅から近い立地の病院がいい。
その病院は、地元でもそこそこ規模の病院でもあり、
名前も通っています。
設備も整っているし、入院施設も大きい。
実際、両親も緊急手術でお世話になったこともありました。
なので、そこで手術を、と、決めたのです。

私自身で選択しました。
だから、何度も言いますが、どこにも誰にも責任はありません。
ただもう少し。
もう少し、病院選びや、執刀医の情報リサーチは
すべきだったなあと、今更ですが、思っています。


今回診察を受けた医師に、
私に施された手術法を、質問してみました。
ら。
「うーん…」と。
同業者のことだから、悪くは言わずにおきたい的な
「うーん…」だったと、私は、推測しました。

「患者さん自身の筋肉組織を使って、挟み込む………
えっと。。。ですね。。。
聞いたことはありますが、正直、
実施されているのは、少ない方法だろうと思います。
そういうやり方もあると、以前聞いたことはありますが…」

でしょうね、と思いました。
でしょうねえ。
本当に今更、ですけれど。

「それもやはりまあ、異物を挟み込む方式、といえば
そうです。
なので、現在当院では極力避けたいところと考えています。

あなたの場合、
筋肉組織と血管との癒着は、かなり想像出来ます。
もし今回、手術されるとしたら、
それらを切り離す作業は、難しいだろうと推測されます。
ですが、たぶん、切り離すことは出来ると思います」 と。

通常の?片側顔面痙攣以上に、
いっそう、ややこしい状況になっている、私の脳内。
もう、本当にがっくりします。。。(ため息)

執刀して貰った医師は、人柄は良かったと思っています。
痙攣に悩める私に、常に暖かい声援を送ってくれていましたし、
再発をしたと思う、と再受診した際には、
本当に一緒になって落胆してくれていた気がしました。

でも、今度ばかりは、違います。
再手術を考えているのですから!
だからこそ!の今度は、慎重に、じっくり検討します。
かつ。
医師の話は、冷静に聞くようにする(苦笑)


医者は、悩みや不安を持って診察相談に来ている患者に、
治療をするにあたり、自信を持って、話をすると思います。
悩める患者に、医者自体が不安定で、
「さてねぇどうなんでしょうねえ…
どうもよく分かりませんねえ…」みたいなのでは、困る。
不安倍増です。
だから、過去の実績での成功例をよく説明に、あげるし、
自身の成功そのものを、よく説明する、気がします。
まあ、現実には、それこそが患者の望んでいるものなのですが。

安心感。

この先生で、間違いない。
この先生に治して貰うのだ!
そう思ってこそ生まれる医師と患者の信頼関係。
またある意味、そう思ってこそ完成する、
治療完治の成就だろうと思います。

でも。
でもでもでも。
今度は私は、2度目。
とにもかくにも、再手術なのです。
だからこそ、分かる。
だからこそ、想像も出来るのです。
言っちゃいます。
「医者の話は、半分くらいに聞いておく」
ダメ?(苦笑)


私は、2度目の開頭手術の施術になることと、
かのような、込み入った術方式だったという、
レアケースでもあるため、
私が、もしもこの病院で手術するとなったら、
そのときは、脳神経外科の最高責任者の医師による
執刀になると思います、とのことでした。

もちろんその最高責任者医師と、まだ面識はありません。
今後こちらでお世話になることを決意すれば、
面談となると思います。

どんな、医師なんだろうなあ。。。
そのときがもし来たら、
最高責任者とはゆえど、
患者なりに、慎重に、冷静に、話を聞こうと思っています。
そして。
期待ばかりだけを、膨らませ過ぎないでいること

私の執刀医の手術で、完治された患者さんも、勿論いる。
また、逆に、世間でいうところの”ゴッドハンド”と呼ばれる
医師の手をもってしても、完治仕切れないことも、
やはり、残念ながら、あると思うのです。
誰も神様ではないのです。
人なのですから。
そして、自分の持って生まれた、運命。
運命は変えられる、なんていう精神世界的な書籍は、
本屋さんに行けば、棚一面有りますけれど、
私は一切信じていません。

運命は変わらない。

ただ、生きている間に出会う”選択出来る瞬間”を、
感じ、理解し、煩悶し、どう繋いでゆくか。
それをあとから思えば、
あれは運命だったんだなあ、と思い出す。
そういうものなんじゃないかと、私は思っています。




まだまだもう少しA病院編、続きます →




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2017-03-16 : 片側顔面痙攣のこと : コメント : 0 :

再手術への道/A病院編2

近県にある大病院での、
初受診をした、若い脳神経外科医は、
熱意を持った風情で、あたしの話を聞いてくれた。

あたしは、顔面痙攣をもう、
隠すことなく(出来ないけどね:失笑)
顔をそっと背けることも、遠慮もなく、
医師の目前で、おおっぴらに、痙攣具合を開示していた。

医師は、さすが医師。
あたしのそんな、揺れに揺れる右顔面を
気にすることもなく、ただただ目を見て、話をしてくれた。
立派なもんだなあと、あたしは、つくづく感心した。

あたしはさらに、もう臆することなく、
聞いてみたいことを、質問させて頂いた。
なにせこちとら再手術(←クドい)
遠慮なんかしてる場合では、ないのだ。


一番聞いてみたかったことは、もちろんこれ。
<再手術で完治出来る可能性と、そのパーセンテージ>だ。
質問は、これしかないと言ってもいい。

医師談。

「以前の手術前にご説明を受けられたかと思いますが。
だいたい、手術をして
治るのは、当医院では、90~95%です。
残念ながら、2度目の再手術になるとパーセンテージは低下します。
治る確率は、80~90%といった具合でしょうか」

医師は続けた。
こちらも、以前おそらく説明をお受けになったかと思いますが、と。

せっかく手術まで挑まれたのに、
たいへん残念なことではありますが、
まったく治らない患者さんも、おられます。
開頭したけど、原因がさっぱり分からなかったりという、
ものすごく残念な方も5%程、おられるのが現実です。

どんな手術にも、完全ということはありません。
これは片側顔面痙攣だけでなく、何においてもです。
どの手術でも、
どうしても10~20%程の、完治仕切れなかった、が、あります。
こればかりは、どうにも。
本当に正直な現実なのです。

片側顔面痙攣で、開頭手術をしたときに、
術後、聴覚に支障が出たり、
嚥下する能力に支障が出たり、
声がかすれたり、する。
こういった障害も、残念ですが出ることがあります。
顔面の麻痺、ということになってしまう場合もあります。
しかし、手術というものは、どうしても、リスクも伴うのです。
でも、それは、
2度目の再手術だから、そのリスクが大きくなる、
ということではありません。
1度目であれ、何度目であれ、
そのリスク負担は、変わる事はありません。


ああ先生。分かります。
よくよくよく、分かっておりますとも。

どこまで行っても、
付きまとって離れることのない、リスク。

後遺症といってもいい。
合併症といってもいい。
あるいは端的に、失敗、といってもいい。

これらは、永遠に、
手術へ挑むものへ、くっついてくる。
内側のどこかに、ぺったり。張り付いてる。
こればっかりは、
どんな名医で執刀を受けたって、同じこと。
リスクは、リスクとして、純然たるものとして、存在し続ける。


医師は、紙を使って、
「いまさら、かもしれませんけども」と、
いろいろ説明をして下さった。
顔面痙攣が起こる仕組みや、理由。
脳幹や血管、聴覚神経等のあれこれを。
あたしは、聞きながら、
書いて下さる図解を見つめながら、改めて、
この片側顔面痙攣の”謎”を、感じた気がした。
世界中の脳神経外科医たちのよって、
症状の原因がこうまで明確に”推測”出来るのに、
それでも、治る場合と治らない場合があるのだから。

ケースバイケース。

永遠の迷宮なのだった。。。

でも、MRI画像を見つめながら、
医師がこう言ってくれた。

「この辺りとこの辺りが、怪しい感じがします。
もしかしたら、この奥も怪しいかもしれません。
だから」

だから。

「再手術を選択される価値は、
あるのではないか。
手術しても無駄、ということはないのではないか。
私は、そう思います」



先生。
今日、たった今しがたお会いしたばかりの先生だけど。
先生。
どうもありがとう。
その一言、巨大。
ものすごい勇気出ました。
ほんとに。
どうもありがとう☆!(感激で涙出ちゃった)


「こちらの病院で、再手術をされる方というのは、
おられるのでしょうか」と、あたしは聞いた。
1万人に1人くらいの発症率な、この片側顔面痙攣。
東京ドームが観客で満員になっても、
そんな中1人いるかいないか、だ。
さらには、再発。
こんな憂き目に遭っていて、
さらにさらには、再手術をするという患者。
どのくらいおられるのでしょうか?

「結構いらっしゃいます」 医師。

えっそうなの?!
マジっすか?!(←心の中の声です)

「結構いらっしゃいますよ、ほんとに。
当医院では、年間そうですねえ。
再手術の方はどのくらいだったかなあ…
(パソコン検索して下さったけど、瞬時にデータ出ず?)
1度目の手術の方は、年間90~100名くらいです。
三叉神経の開頭手術も含みますが。
同じ片側顔面痙攣での、再手術の方も、結構あります。
再手術の患者さんは、今月は今のところ1名おられますね。
毎月もうちょっと、おられます」

そうですかそうなんですか。。。
何だか、感慨深くなった。
あたしだけじゃないんだなあ、と思った。
再手術に挑もうとしているのは。
見知らぬお仲間は、世間に、存在してくれている。

そして。
医師へ、最大に恐ろしい質問をする。

「2度目でもまた再発をしたとして。
そうなるともちろん無念ですけど、
3度目の手術ということも、あるのでしょうか」

2度目あることは、なんて。
恐ろしい言葉がある。
一生くちにしたくない。
それが無理でも、せめて、今は。

医師は、するっとこう答えた。

「おられますよ。
僕が知る限り、4度手術された患者さんがいます。
3度、違う病院で手術をされて、治らなかった。
で、4度目をすると、当院へ来られて、
手術されて、完治、という患者さんがおられます」

げーっ!げっげっげげーーーっ!!!(大仰天)
よ、よよよよよ、4度も

あの、開頭手術をされたというのーーーっ!!!(絶句)
すっごーい!!!ド根性ーーーっ!!!
治したいという執念ーーーっ!!!
ひれ伏す!!!!!

大驚愕、と同時に。

4度も同じ場所、メス入れて穴、開けられるんだ?!
ゴリゴリと骨切ってるけど、出来るんだ?!

「出来ますね。
ただし1年程度は、開けた方がいいですが」
と、医師。

すごい。
凄すぎる。。。
強烈な事例紹介に、クラクラ…
でも。
でも、やっぱり「治したい」と、強く強く思う人がいて、
何度も完治を目指して、手術に挑んでいる。
片側顔面痙攣に、立ち向かっている人がいる。
決してあきらめない人がいる。

”人生はあきらめも肝心”

あきらめないで、あきらめないで、と言われるごとに、
いやいやないし。
みんながみんな、
あきらめなかったら成し遂げることが出来る、なんての、ないし。
そう思ってる。
そんなことを、いつもは思っているあたしだけれど、
この痙攣の消滅を願って
あきらめない人がいるってことを知って、
陳腐な言い方だけど、尊敬した。
あたしとは、違う人。
だから、すごく、尊敬した。

でも、今回ばかりは、
あたしもちょっとだけ、
そっち側のスタンスへ立ちたいと思う。
実情はやっぱりそうは思ってても、
ヨレヨレのヨワヨワのへっぴり腰、だけど。




以下まだまだつづく(ブログも慎重:苦笑) →




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2017-03-15 : 片側顔面痙攣のこと : コメント : 3 :

再手術への道/A病院編1

片側顔面痙攣の術数が、年間、結構なもので、
近県で、気になる2軒の病院がある。

便宜上呼び名は、A病院とB病院にする。

A病院は<紹介状>無しでも、受診可能。
B病院は<紹介状>必須。持参者のみ受診可能。

で。
片側顔面痙攣の、完治を再度目指しはじめたので、
行動を始めてみた。
これは、あたしの、その健忘記録的記事になる。


重い腰を上げるのに、決まった日時はない。
また明日、また今度、また来週中に、とすると、
その日は永遠に来ない。
よーな、気がしたので、病院へ向かった。
まずは、A病院

もちろん初めて行く病院。
朝、勤めに出るような時間に起床して、
自前作成地図を手に(スマホ持ってないから)
よろよろ、若干気重に、ヨタヨタ出かけた。

公共交通機関を数珠繋ぎして、到着。
いやあー。
やっぱり、大病院は大病院!
病院施設の規模もデッカいけど、
それ以上に、来院者数が、予想以上の桁違いだった!

朝9時頃に到着して、初診の手続き等済ませ、
以後、
どわーっと時間が流れに流れ、
自動会計機で、本日のお会計を済ませたときは、
午後4時過ぎ。
朝日が夕日になってて、トータル7時間も、病院にいた!
すごーっ!!!
とにもかくにも、凄まじいと思えるほどの、患者さん数で、
どこもかしこも、院内は人・人・人。
人で、いーっっっぱい!
大代表の受付窓口からは、もちろんのこと、
各診察科の受付カウンターでも、長蛇の患者さんの列。

ようやくたどり着いた<脳神経外科>エリアでも、
これまたものすごい人の待機数。
電光掲示板に、じゃんじゃん番号表示されるけど、
いっこうにあたしの順番まで来ない。
「ほんとに今日、診察して貰えるのか?!」
そう、一抹の不安がよぎったくらい、もンすごい患者さん数だった。
ちょっと些細なことを尋ねたくても
(ex.お手洗いに行って来たいから、
   待合を離れても構わないか、とかその程度の)
どわーっと並んでいる列が気になって、なかなか割り込めない。
第一、受付カウンタ横に、
『ご質問等ございましたら
申し訳ありませんが 列にお並び下さい』と、簡易看板があるんだもん。
気が引けちゃう。
(でも、ほんの隙間に、ダッと聞いたけど。
お手洗いもおちおち、行けないのだったー:汗)

大広間な待合の、長椅子に座り続けること3時間少々。
よーうやくあたしの診察番号が、表示され、
診察室に程近い長椅子エリアへ、移動。
して、またビックリ。
そこも患者さんが、ズラーリッ!
座る場所がないくらい、人だらけだった。

本当に大病院っていうのは、凄まじい状況なんだなあ!
こりゃ基本的には<紹介状>ある人優先にしたいという、
大病院側の希望にも、納得。
煩雑で複雑な症状や症例の患者さんに、
こういう大病院は意識集中するのは、
ある意味必然な気がした…(公平な医療としては、難しい選択だけど)

ちなみに、見ている限り、
カウンターの中にいる中心人物的な、
受付担当者さんたちは、お昼休憩に出ていない。
少なくとも3名さんは、朝から終始在中して、
診察待ち患者の応対に追われてらした。

さらに言うと、お医者様方は、なおのこと。
電光掲示板の数字が切れることなく続きに、続く。
主任医師なのかな?
掲示板にも、受付窓口にも
『○○先生 診察 60分待ち』などと、出てる。
(あたしが退席するときには、なんと120分待ちになっていたあ!
ひぇーっ!!!)
先生方、いったいいつご休憩、お昼ご飯なさるの?!
驚愕ー!!!


そしてついに、あたしの順番が!(ドキドキドキドキ!)

3時間強待って、初めて面会した医師は、
「え」
と、正直思うほど、若い男性お医者様だった。
もっと正直に言うと、
このあたしの、再発をしてしまった、片側顔面痙攣の
怯えに慄いている”再手術への道”、の
相談をする、脳神経外科医としては、経験値足りてる?と(←エラそう)
不安でいっぱいの中、恐る恐る、
他県から診察に来たんだけど…と、
こっちだけがアレコレ思いつつ(苦笑)
医師との初面談が始まった。
あたしの、この大病院の脳神経外科医イメージとしては、
百戦錬磨、誰でもかかって来いやあ!みたいな(苦笑)
老練な気配のある医師が、希望だったんだけど…と思いながら。


でも。
その若い医師は、
若さ溢れる診察で、口調も当たりもソフトだったので、
あたしは、おどおどする気持ちを、ずいぶん軽減して頂いた。

それに
「何でも聞いて下さい。
何でもすべてお答えします!」
そう軽やかに開口一番、言って下さったので、
本当に遠慮なく、質問事項をぶつけることが出来た。
重厚な雰囲気の医師には、聞き難かったかもしれないなあ、うん。

だから、初診察の始まりは、
しごく、スムーズなものだった(ほっ!)

また。
事前に、あたしなりに、過去をひもとき、
今までの片側顔面痙攣の症状の推移や、
手術のことや、術後のこと。
現在に至るまでの経歴等を、
時系列で全部、書き出したものを書面にして、
担当医師へ渡してもらっていた。
(科の受付窓口で、問診表記入の際、
看護師さんに預けておいた)
だから、
初受診の際、あれこれ説明せずとも、
診察の話は、進んだ(と思う)

さらには、ご配慮を頂戴した。

あたしが、他府県から診察に来ていること。
勤めを休んで来ていること。
などを、ご考慮下さり、
「時間はうんとかかってしまうと思いますが、
今日、何ならこのまま、検査しましょうか。
また撮影のために来院されるのも、
遠方だとご苦労でしょう」と、ご提案下さり!(感謝)
なんとまあ、急遽MRI撮影をお手配下さって!
画像診断も当日、組み込んで頂けたあ!(感涙)
(前回の病院では、次月のMRI撮影予約をしたから、
当日にして貰えたことは、ホントに感激した!)

とにかく、ものすごい長時間、
診察までかかって待ったけど、
診察そのものは、
少なくとも、その初見の医師は、丁寧で、
温かみのある、診察をして下さった。
だから、待つにはチョー待ったけれど、
苦労は報われた感があった。
良かったー(笑)


以下、
MRI画像を見ながら、
ガンガン質問した編へ、つづく →
(このまんまだと、ものスゴく、長文になっちゃうから!)





行動を始めたことで、
少し、気分が晴れて来た。
単純な、あたしなのだった(苦笑)




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2017-03-13 : 片側顔面痙攣のこと : コメント : 2 :

病院受診・始動はじめ。

つらい過去に向き合うことは、つらい。

人生、幸福ばかりじゃない。
だけども。
あたしの今までの人生は、
それでもそれほど悪くはないと思う。
たぶん。
片側顔面痙攣の発症で、ものすごく憂鬱なものが
加わってしまったけど、たぶん。
あたしの人生しか、あたしは、知らないから、
たぶんね、だけど。

再手術に挑もうと決めて、
再手術先の病院探し。
のらくら、だけれども、
本格始動しようと、思って。

新しく面会するであろう、
脳神経外科医に、
あたしの過去の手術経歴や症状の履歴を、
説明するために、
自分の過去を引っ張り出そうと考えてる。

あたしの受けた、開頭手術の事柄や、
その後の再発具合の経緯とか。
思いつく限り、医師に伝えたいなあと思って。
なかなか、スムースには、回顧出来ないんだけど。

まあそりゃそうでしょう。
実現化するために、しちゃう、現実逃避。
だってこちとら、再手術。
怖いよ。
想像するだけで、苦しくて涙出そう。
つらい過去は、本当に、気分をめり込ませる。
しんどい。
探ることは、
思い出すことは、本当に、気が滅入る。

でも、行動しない限り、このまんまだから。
する。
病院を受診することで、それだけであったとしても、
何か、得るものがあるかもしれないから。
再手術の道すじとか。
手術の、困難度合いとか。
再・再発の可能性とか(←最も恐ろしくて、最大に聞きたくないけど!)

ひとと、
立場を比較をすることは、難問なのだけども。

先日、ネットニュースで、
ガン闘病されている、小林麻央さんが、
闘病中の現在の気持ちを告白されていた、のを見た。

”いくつもの治療を重ねると、
選択がどんどん難問になる。
治療のスタンダードなカードが、少なくなってゆくから”

気になって、彼女のブログを拝読したら、
そんな風なことを、ブログで告白されていたのだった。

ガンを克服するために、と、
世界中には、数々の治療方法があると思う。
先進医療の抜群に進んだ外国とか。
もちろん日本国内でも、病院や医師によって、
さまざまな方法や理論や、薬品等が存在するだろうと、思う。
それらは、すべて、
患者側の体質にあう、とか、
患者側の持病理にマッチするとか、
そういう色んな事情が、加味されて、
ものすごく複雑なものになると、思う。
本当に、選択は、毎回難問だろうし、毎回悩ましいことと思う。

そんな想像を絶する艱難辛苦を、乗り越えようと、
されている、治療。

あたしの、片側顔面痙攣の治療法方は、
簡単に言ってしまえば、ただひとつだけ。
神経と血管を引き離すこと。
それだけと、言っちゃえば、それだけだ。
その具合が、あたしは首尾よく済まなかった、
だけ、と言えば、だけなのだ。

次こそは、治るかもしれない。
次でも、治らないかもしれない。
気持ちは、ものすごく揺れる。
猛烈に、と言ってもいい。
立ってらんないくらい、ぐらぐらに、揺れてる。

でも。
でも、治療の選択で悩む余地は、ないのだ。
この症状撲滅については。
ただひとつしか、ないのだ。
開頭手術。
だからあとは、
「やる」か「やらない」か。
それだけなのだ。

へっぴり腰で、ヨロヨロで、
おどおどしてて。
気持ちはもう、真剣、ふらふらなんだけど。
目はいつも、もう、この片側顔面痙攣のことを、
考えることがつらくて、涙ぐじゃってるんだけども(苦笑)
でも、それでも、手術を「やる」か「やらないか」
あたしの場合は、
再手術を「する」か「しないか」

1度切りの人生。
って、
最近、ほんとに、よく、これ、思う。

あれこれ考え出すと、
マイナス思考への感情は、とどまることを知らない。
でも。
及び腰で、ちょっと、始動してみる、ことにする。

てなことを、
マクドナルドなんぞを食べながら、思った先日の、午後。

マクドナルド、やっぱ美味しいなあって思いながら、食べた。
痙攣しながら、食べた。
痙攣してても、お腹は空く。
痙攣してても、こんな風に、
のんきにもぐもぐ食べてる。
胸が詰まってどうにもならない、なんて、ならない。
ポテト、足りなくておかわりしたくらい。
馬鹿みたいに、のんきにもぐもぐ食べた。

マクドナルドは、美味しい。
ジャンクフードだけど、たまに食べたら、めちゃ美味しい。


あたしはまだ、打ちのめされ切ってないと、思う。
あたしは、まだ、いけると思う。
残された<まだいける>は、
ほんのちょっとだけかもしれないけど。


小林麻央さん、頑張れ。
美しくて、まだまだものすごくお若い方。
頑張れ!☆☆☆
いろんな治療の中で、
どれかが、抜群にフィットされるものに出会われますことを。




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2017-03-12 : 片側顔面痙攣のこと : コメント : 0 :

縁起を担ぐような気持ち。

用事で、外出したとき、タクシーに乗った。

バスがめずらしく時刻表通りに来て、
とっとと去ってしまってたから、しょうがない。
次のを待つのも面倒で。
滅多に乗らない、タクシーに乗った。

思えば。
あたしは、片側顔面痙攣で、病院に通院していたときは、
いつもタクシーに乗っていた。
いつも、だ。

初受診したときから始まって。
検査のとき。
検査結果の説明のとき。
入院を決めたとき。
「開頭手術をして頂こうと思います」って、
脳神経外科医に、申し出ていったとき。

入院する朝のときも、タクシー。
荷物を家族に持って貰って、病院に向かった。
退院する朝も、
病院の入り口につけてあるタクシーで帰宅をした。

術後経過観察で、
1ヶ月に1度の診察を受けていたときも、
片側顔面痙攣の再発を感じたときに、
再受診したときも、タクシー。

今では、あたしの中で、
タクシーに乗るときは、
どうしても、病院のことを思い出すようになった。

病院へ行く、ということは、ふつうじゃないことだ。
どこかが不良だから行く。
あるいは、誰かの体調不良の、お見舞いに行くとき。

気持ちがどうしても、フラットでないから、
ちゃちゃっと、タクシーに乗っちゃう。
バスを待ったり、電車を待ったり、あんまりしたくない。
ちゃっと病院に着きたいと思う。
そして、ちゃっと病院から遠ざかりたいと、思う。
きっぱり言えば、病院なんか、行きたい場所じゃない。
行ってもハッピーな病院は、
親族や知人のおうちに、新しいキラキラした命が誕生して、
その小さな命へ「はじめまして!こんにちは☆」と、
面会に行くときだけだ。
これだけが、この世の唯一の病院行きの、大ハッピーだ。

作家よしもとばなな氏が、
氏のエッセイの中で、
「若いころ、バイトに行くときに、タクシーに乗って行ってた」
とあった(たぶん。そう読んだ記憶がある;汗笑)
時給より高い交通費を使って、バイトに向かってたって。
そのときあたしは、十分若かったから、
「げげ、すごい。
やっぱお金持ちのお嬢さんは、感性が違うなあ」
なんて思ってた。
だって、タクシーに乗ってバイトになぜ向かうのかというと、
「車の中から、ぼんやり流れる街並みを
眺めるのが好きだったから」
てなことを、言われていたから。
やっぱ感受性豊かな人は違うなあ、と思うと同時に、
やっぱお金有る人って豪勢だよなあって。
そう思った記憶がある。

でも、今になってあたしにも、この感じが分かる。
ような、気がしてる。
お金を、昔も今も、そんな持ってないから、
タクシーに乗ることイコールすごく贅沢。
だから、もとからほんとにあんまり、使わないんだけど(苦笑)
それでも、今になって、あたしにも、
少しだけ、よしもと氏のそんな気持ちが、分かる気がする。

なーんにも考えていない。
何にも考えないまんま、街の景色が流れてくのを、見る。
タクシーの車中から、ただぼんやり、眺める。
それだけ。
片側顔面痙攣の関連で、病院に向かうとき、
本当に、あたしは、タクシーの中で、
何にも考えなかった。
何にも、だった。
それが、最適な行為だった。

その。
先日タクシーに乗ったとき、
はからずも、向かった方向が、
片側顔面痙攣の手術・入院をした先と同じだったから、
そんなこんなを、思い出したりしていた。

ぼーっと、車中から外を眺めているとき、
運転手さんが、声をかけて来た。
声と同時に、運転席から手が出て来た。
「これ、どうぞ」って。
何かと思えば、小さな<お守り>だった。

「この1週間だけ、
乗車して下さったお客さんに、お渡ししてるんですよ。
会社が、キャンペーンにってね。
用意してくれてるんです」

へえ、と思いながら中を見ると、
5円玉と御札が入っていた。

外袋はペラペラだし、
御札もただの紙っぺら。
だったけど。
だったけれど、
あたしは、うっかり、泣きそうになった。

「ちゃんとねえ、それ。
会社がご祈祷に行ってるものなんですよ。
どこの神社かは、知りませんけどね。
ま、どっか。
会社の近所にあるとこなんでしょうけどね」

運転手さんは、わははと笑って、そう言った。
そんなことは、どうだっていいの。
運転手さん。
この御札、あたしにくれて、ありがとう。
ほんとに。
うれしかった。
うっかり、こんなって言ったら悪いけど、
こんな、春の乗車サンキュウキャンペーンの、
おまけ御札なだけなのに、
あたしは、うっかり、その場で泣きそうになっていた。

どうもありがとうございます。
とても、うれしいです。

そう運転手さんに伝えたら、
運転手さんはまた、
会社が用意したもんなんですけどねー
キャンペーンなんですけどねーと言っていた。

縁起を担ぐような、気持ちになった。

貰ったこの御札入り<お守り>は、
それからずっと、あたしのお財布の中にある。




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2017-03-06 : 片側顔面痙攣のこと : コメント : 0 :
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2013年10月、片側顔面痙攣で開頭手術を受けました。煩わしかった痙攣から解放された☆と思いきや、術後約1年数ヵ月後、また魔の痙攣が始まりました…
この症状について、さらには病というモノなどについて、さらにさらにはいろいろよしなにごとを書き綴りたいと思います。

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