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なんとか歩いてゆく。

父が、家族のように親しく、かつ、とても慈しんでいる、
父より一回り年下の男性。
あたしも、子どもの頃から知っているAさん。
Aさんからすれば、
あたしが生まれたてのときから、知り合い。

昨年末頃、そのAさんから連絡が父にあった。
1,2か月に1度ほど、
気まぐれに、父へ会いに自宅へ立ち寄ってくれていたけれど、
ふと、そういやここしばらく顔出して来ないね。
そう話していたら、連絡が、あった。

「難病になってしまって。
体の自由が難しくなって来ちゃったんだ」

何だかとても込み入って、日常生活にも大変苦労する病状と、
今まで一度も聞いたことのない病気の名前だった。
国から難病指定になっているものだという。
でも。
その病気になった理由も特に分からない。
そして、その病気を治療するに特効な方法も、分からない。

父も母も、衝撃を受けていた。
すごく、悲しみ、落ち込んでしまっていた。

どうしてそんなことに。

そこには何も理由なんて、ない。
だから、悲しい。

母の遠い親戚の女性。
新年の挨拶で、電話をしたとき、
「左手の親指の先を、切除したんだ」と聞いた。
施術技術の精度が進んだおかげで、
指先はどうにか復元しているけれど、動きはもう
元通りのものとは違うという。

どうしてそんなことに?!と、母が聞き返したら、
正体不明の病原菌が、どうも、
指の根元辺りから忍び込んで、とんでもない悪いことを
引き起こしたのだという。

何もかもが、ほとんど、原因不明。
病原菌の正体も、不明確。
病気になった理由も、不明瞭。
治療法も、特定出来ていない。

難病指定の病気だという。

母はこちらでも、衝撃を受けていた。

かくいう母自身、乾癬に半年程前から、なった。
乾癬という症状のことを知ったのは、
あたしは初めてだった。
母自身も、知らない病だった。

乾癬になった理由は、特定することが難しいという。
原因は、過度なストレス。日光。様々なアレルギー。
乾燥。脂っこい食事過多。風邪などの病気から、などや、
肥満。
妊娠・出産など。
誰にでも、日常の暮らしで当てはまるものばかり。
だから、原因なんて探せないのだ。
一番大きな理由としては、
遺伝子レベルの問題、と言われているらしい。

遺伝子のことを病気の原因と言われても、
そんなの、
自分ではどうにも出来ることじゃない。

言ってしまうと。
運命

これが良いのかどうか、あたしには分からない。
けど、そうとしか言えない気がする。

なる人は、どうあっても、なる。
ならない人は、どんなことをしてても、ならない。

あたしの2度、開頭手術をした、
壮絶に苦しんだ、ニックき片側顔面痙攣も、
なった理由は、言ってしまえば、無い。
強いて言うなら、
「脳内の神経と血管が、人より
触れ合いやすい”体型”に生まれついていた」

あるいは、
「脳内の神経と血管が、人より
触れている”体型”で生まれているから」


原因と結果が、明確に分かっているものって、
イイなって思う。
単純で、良いよなって思う。
でも、生きているときの中では、
そんなシンプルなことだけでは、済まない。
残念だけど、済ませてくれないことって、ある。
それが、Aさんの急になってしまった、
遠戚の女性が突如かかってしまった、
あたしがじわじわりと、
顔の半分が痙攣し始めたことたちだ。
原因追求なんて、しゃらくせえ。
そんなもなぁハナからねェ。
そういうことだって、も、普通にあるんだ。

落ち込む。
そりゃあねえ。
つるっと、落ち込む。
巨大な奈落へ落ちるように、落ち込む。
けど、しかたがない、とあきらめる。
時間はかかるけれど、あきらめる心情になる。
これも自分の天命と、引き受ける。
引き受けるのにも、同様、時間はうんとかかる。
あたしはね、少なくともね、随分かかった。
正直に言っちゃうと、
いまだに地味にねばねば、ため息が出ることも有る。

母の若い頃からの友人で、
あたしもよくよく知ってるおばちゃま。
母が姉のように慕っている女性。
若い頃から何度か癌を体験している。
子宮がん、乳がん、胃がん。
大きな症状だったり、ごくごく早期発見だったり。
80歳を超えてなお、
おばちゃまは、癌に怯えて暮らしている。
「癌になったらどうしましょう。
すごく、怖いわ」と、検診や検査をつね、している。

引き受けられないで来ちゃったのね、おばちゃま、と思う(苦笑)
でも、ある意味、
80歳を超えても<すこやかで日々生きること>に
執着心を燃やしている。
その前向きさには、頭が下がる思いがする。

いろんな思いで、みんな、歩いている。

根に持つタイプのあたしは、
先日久しぶりに、
入院・手術を受けた病院のホームページを見た。

片側顔面痙攣の施術法に、
新たな手法と医療器具を編み出した、とあった。
あたしが再手術をそこで、と挑んで
1年後くらいに、どうやら開発・実用されていたみたい。
医療現場でも、
医師等は日々、前進して行ってくれている。
それが現時点での最善・最良だと信じて。

医療も、すべて、歩いている。

指定難病になられた方のことを考えると、
あたしの体験して来ている、
片側顔面痙攣なんて、
構成の理由と治せる方法が明確なだけ、マシ。
なんていうことは、思わない。
これっぱかしも、思わない。
いや、正確に言っちゃうと、
1度目の手術でもしも完治していたなら、
そう思っていた気がする。
たぶん。
でも、
あたしは、無念なことに再発をして、
苦しみの涙ながらの中に、再手術に挑んだ。
だから、変わったと思う。
あたしはもともと、人格者ではないからね。
不道徳で、だらしのない、勝手なヤツだから。
だけど、
どうにも抗えない運命というか、
天命というか。
そういうものを痛烈に実感したから、変わった。
どんな病気でも、
どんな症状であっても、
それの大きさや重さ、深さなんか、関係ない。
誰だって、ヤだと思えばヤなもんは、ヤなんだ。
辛いものは、どんなものだって、
その人にとって、辛いと思うなら、どうあれ、辛いんだ。
片側顔面痙攣の根治方法として、開頭手術はもちろん有るけど、
一発で完治する人も多いけれど、
それでも治り切らない人だっている。
それはもう、理由は、神のみぞ知る話のこと。
だから、難病との違いは、紙一重だと、
あたしは勝手に、思ってる。

片側顔面痙攣になって、
本当にあたしの人生は大きく揺るいだ。
悩んだし、苦しんだし、悲しかったし、絶望のものだ。
けど。
くやし紛れに言うと、
ほんの少しくらいだけど、
人の病での煩悶を、分かるヤツになれた気がしてる。

この5月末に、MRI撮影をして頂く。
地味に続いている、片側顔面痙攣の道のり。
小さく怯える日々は、たぶん生涯続く気がする(苦笑)

どうにも出来ない人生を、
あたしはへっぽこだけど、
なんとか歩いてゆく。




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2019-01-09 : よしなし雑記 : コメント : 0 :

電子レンジ考

冷凍ごはんを解凍しとうと、
電子レンジでチンしていたら、煙が出た。

台所で他の食事の支度をしてたら、
「ん?なんか煙臭い???」

見ると、
電子レンジから白い煙がモワモワモワモーンー
いかーーーーーん!!!\(゜ロ\)(/ロ゜)/

慌てて電源を切り、コンセントを抜いた。
いやなんか、危なかった気がする。

この電子レンジは、超・オンボロ。
あたしがうんと若かりし頃、
大学院生時代を過ごしたこの場所から、
就職で地元県に戻る、という
一人暮らしだった女友達から、譲り受けたシロモノ。
あたしも当時、一人暮らしを始めるところだったから、
渡りに船、みたいなもんで、
あげる♪と言われて貰う♪で、貰った。
つまり、貰った段階ですでに立派なセコハン(笑)
かれこれトータル、どれだけの年数、
使ってきたかなあ………(もう思い出せないくらい昔話:苦笑)

だもんで、
十二分に元は取れている。
もともとも何も、何一つ支払ってないけど(苦笑)

電子レンジの無い生活。
って、よく考えてみると、初体験。
生まれたときから暮らしの中に有ったからね。
とにかく、初。

無いと不便だなあ。

そう思っているけど、
今のところのほんの数日。
無ければ無いで、どうにかこうにかヤッてる。

冷凍牛肉は、冷凍のまま、炒めたり、煮たり。
みょうーに調理の最中で、
赤い汁が出て来るから、
何だか魔女が悪い食べもの作ってるみたいになるけど(笑)
でも、仕上がりはそう変化ない。
冷凍ごはんは、極力今のところ使わないで、炊いてる。
面倒臭いけど!

どれどれ、と<電子レンジ 無し 生活>
みたいなワードで、ネット検索すると、
有るわあるわ。情報の海。

素敵料理研究家さんで、
以前読んだエッセイの中で、
あるとき思い立って、電子レンジを捨てた、と有った。
で、どうしているのか、というと、
蒸し器で蒸す。
何でも蒸し器で蒸す。
お湯もきちんとやかんで沸かす。
ごはんも毎度炊く(しかも土鍋!)
つまりは、今食べるものをすべて今作る、みたいな。

んな手間暇かけてられっかー!(絶叫)

料理研究家なんてテキトーな職業名称、
名乗ったモン勝ちだよね、とあたしはいつも思ってる。
これ余談だけども。

一般人の(笑)すごいツワモノさんは、
「何でも湯をかける」
最高だったのは、
「冷たいままで何でも食べる」と有った。
おみそれした(ペコリ)

職場で主婦同僚スタッフ等に、
電子レンジについて、いろいろ聞いてみた。
ら。
「最新の、スチームのあれ。
シリーズの中でも、かなーりイイ値段のレンジを買ったけど、
ちっとも使いこなせてなくて。
結局、チン、しかほとんど使ってないかも(苦笑)」という意見の人が、
結構な人数、いた。
なんと見事なまでの、宝の持ち腐れ(笑)

わが姉やわが母等は、
最初からそれを見越して
「潰れたら、ほぼ、チン機能だけみたいなのに買い替えてる」
なるほどねえ。

まあ勿論「付属のレシピ集読んで、いろいろ作ってる」人もいた。
ただそれでも、研究家ではないから、
「レシピ通りにしか作ったこと無いけどね(笑)!」だった。
ようは、あまり使いこなせてないってことよねえ、と。

ネットで調べ出すと、
一口に電子レンジっつったって、ごまんとある。
参考にはするけど、
現物を家電量販店なんかで見たら、
また違う考えも持ちそう。

しばらく悩ましいと思う。
てなことで、
しばらく、チン不可能暮らしになるあたしなのだった。


追記

職場主婦スタッフさんで、
「ママ友に、電子レンジ不可のお宅があるの。
電磁波が体に良くないとかっていう
家庭で育ったとかで、
実家でレンジ無し人生だったんだって。
だから、結婚して息子君が生まれても、レンジ無し。
すごくない?!」

そして、こう続けたのだった。

「その息子君がいつか結婚するとき、
相手の女の子に迷惑だと思わない?!
チン出来ないなんて!」

笑ったー



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2018-11-12 : よしなし雑記 : コメント : 0 :

赤ひげ先生は今いづこ

愛犬のお散歩途中で親しくなった、おばあさん。

昔から目が弱かったそうだけど、
最近加齢に伴い、ますます状態が悪くなったという。
見えないわけではないけど、
相当見えにくくなったらしい。

あああのおばあさんだ、と思って手を振るも、気付かれない。
20メートルくらい近くなっても、まだ。
10メートル程でも、まだ駄目。
5メートルくらいで、おばあさんにっこり笑顔で、
ようやく「あらあ、こんにちは。今日はいいお天気ね」

ごめんなさいね。
誰か手を振ってくれているのかなあ?って思ったんだけど、
ちっともよく見えていなくて。
もうだめね。


近所の眼科へ診察に行ったら、
ウチでは手に負えないからと、都会のものすごく大きな病院へ
紹介状を持たされて、転院したおばあさん。

眼科の診察室だけでも12部屋くらいあるという。
朝一番で病院に乗り込んで、診察番号を得ても、
すでに数百番台の待ち番号。
待合エリアは、患者で溢れんばかりに、いっぱい。
朝から待合でただ座っていて、
お昼の時間になってもまだ順番が来なくて。
看護師さんに尋ねても、まだ先は長そうだから、
昼食、食べて来られては、と提案貰うことばかりだという。
ようやく診察の時を迎えるのは、
病院到着後からなんと5時間後!あたりが、ザラとのこと。

おばあさんの目の悪い状態は、
かなり込み入っているらしかった。
だから、
この症状に関しては私が専門ですが、
この症状についてはまた別の専門医がいますので、
そちらで診察を受けて下さい。
そんな風で、何人も医師に会い、
かつ、大病院だから、診察のたびに、医師も次々代わるという。
手術、になったりすると、主治医が確定するみたいだけど。

でも。

おばあさん。

「診察を受けても、
どのお医者さんも、みな適当に思うの。
こっちをろくに見てくれないまま、
さあーって診察されてばかりでねえ。
どの先生が良い先生なのか、
さっぱり分からないのよねえ」

すごく巨大な病院だから、
名医みたいな医師もいるはず。
でも、ぜんぜん分からないのだと、おばあさん。
その分からないの意味は、
とにかく誠実な医師が分からない、ということだ。

それでどうします、手術しますか?なんて言われてもねえ。

ひとりの先生は、ちゃんとしてくれるの。
その手術をするなら、
僕が全部面倒見ますって、言ってくれてて。
他の手術は、分からないけれど、
それはその先生に頼もうかなあって思ってる。
他のはね。

他のはね。

執刀して貰う先生を、決められないから、
「手術はもう、やめとこうって決めた」

大病院がいけないとは勿論思わない。
小さい病院がいいとも言わない。
でも、
大でも小でも、赤ひげ先生みたいな医師。
いたらいいのになって思う。
難しいのかなあ。
もう。
江戸でも無いし。
昭和ももう終わるし。

僕が全部面倒見ます。
そうおばあさんに言った、大病院のある眼科医。
おばあさんにとって、
赤ひげ先生であって欲しい。
そして。
頑張って手術を受けるんだもの、
どうか、おばあさんの片方の目。
少しでも良くなりますように。



1101yu @





2018-11-04 : よしなし雑記 : コメント : 0 :

少しだけでも優しく

この前、実家へ戻っているときのこと。

バスに乗って、発車時刻を待っていた。

郊外のその辺りは、少し開発が進んで、
バスの路線が込み入って来てて、
たまにしか使用しないあたしには、
実家近辺であるとはゆえ、もう、分からない場所になって来ている。

駅のロータリーで始発な、そのバスに、
ひとりのおばあさんが乗って来た。
杖をついている。
そして、バスの運転手に道を尋ねていた。

〇〇病院へ、このバスは行きますか。

運転手は若い人で、
ぶっきらぼうに、こう返答した。
「さあ、ちょっと分からないっすねえ」
そして、こう。
「これもう出るんで。
次のバスで聞いて貰えますか」

なんだよそれ。
と、思ってムムっとしてたら、
おばあさんがすみませんでしたね、と
下車しながら、
車内に向かって、援助をこうた。

すみませんが、どなたかご存知ないでしょうか。
この路線で、〇〇病院へ行くか。
ご存知ないでしょうかしら。

車内乗車の誰からも返答無し。
あたしはますますもって、ムムムン。。。
このエリア住民なんでしょうから、
ちったぁ知ってる情報、
何かでも答えてあげなよー!と。

どうもすみませんでしたね、とおばあさんが
バスから去ったから、
あたしは、ついバスを飛び降りて、おばあさんのとこに行った。

あの。
〇〇病院っておっしゃってましたけれど、
確か、〇〇病院って同じ系列病院で、2軒あるんですよ。
ひとつは入院施設もあるけど、
ひとつは確か、外来診察だけだったと思います。
場所も、B病院ならこの路線では近くまで行きますが、
A病院なら、ぜんぜん逆方向だから行かないです。
そっちなら、この駅の反対側のバス停から乗らないと。。。

杖のおばあさんは、暗号みたいなこと言われた。
駅に着いたら、適当にたどり着けると思っていたらしい。
病院の電話番号すらも、持っていなかった。
そこそこ大きな病院だから、どうにか行けると思ってて、と。

入院している友達のお見舞いに行きたいのです。
(だったら入院施設の有る方か)
高速道路みたいな大きな道路のそばにあるそうです。
(どっちもそうだなあ…)
赤いバスに乗ればいいって。
(どっちも赤いバスは走ってる…)
大きくて急な坂道の近くにあるんです。
あ!
だったらやっぱり、入院施設のあるA病院だワ!☆
でも、乗車するバス停は、駅向こう。

「ご一緒しましょうか。
そのバス停は駅向こうに有ります」

そう言うあたしに、おばあさんはとても恐縮されて、
そんなご足労とんでもない!と。
あんまり恐縮されるから、
じゃあそこまで、と、
駅向こうにつながるエレベーターまで案内した。

これを出られて、道なりに駅構内を進まれたら、
向こう側に出ますから。
出ればすぐ目の前にバス停が有ります。
赤いバスは、たしか本数が極端に少なかったと思いますから、
病院到着まで、お時間かかるかもしれませんね。

そう言うと、おばあさんは、
もし時間がかかるようなら、
タクシーにでも乗りましょう、と答えた。

ご親切にどうも本当にありがとう。
あなた、せっかくバスに乗っていらしたのに、
わざわざ降りて下さって。
本当に申し訳ない、ごめんなさいね。
でも、
本当に有難うございました。
これで無事お見舞いに行けそうです。

さよなら、とご挨拶をして、
杖のおばあさんを見送った。

おばあさん。
連絡先のメモくらい、持ちましょうね今後は、と思い。
そして、
バスの若い運転手に、
もうちょっと親切な物言いしたらどう、とムッとした。
バスの車中にいた結構な人数の乗客にも、
落胆した。
みんな忙しい世の中で、このバスの始発時間だけが
気掛かりだったんだろうけど。
ほんの数分バスが遅れたからって、地球はそれでも平気に回ってるぜ。

イタリアのローマに、若い頃一人旅したことをがある。
気ままな旅だったから、
適当に到着した市内バスに飛び乗った。
ら。
バスが発車したとたん、車内から怒号が飛び交った。
イタリア語なんて、もちろんあたしには分からなかったけど、
とにかく車内から大きな怒鳴り声がした。
何事?!とドキドキしていたら、
ひとりのおばあさんを、抱えるようにして、
若者男性がバスに乗車して来た。
そして、何人かの男性が、
バスの運転手に罵声のような声で文句を言っていた。
おばあさんの方を向きながら、
両手をバサバサさせつつ、運転手に文句をブウブウ!
周辺乗客も誰もがうなずいている感じ。

たぶん、答えはこうだったに違いない。

「あんたには、あのばあさんが
バスに乗りたくて駆け寄っていたのが、見えなかったのか!
いや、見えてたはずだ!」
「お前にだって、ばあちゃんいるだろう!」
「なんて不親切なんだ!信じられない!」


そのおばあさんをぐるり、乗客は囲み、
ひとりが席を譲って座らせ、ようやくバスは発車した。

電車は時刻表通りには、1度も来なかったし、
ホテルでは頼んだタオルがなかなか届かなかったし、
市場では、お釣りをチョロまかされそうになったけど(苦笑)
それでも、この一件に遭遇したことで、
ローマはあったかい記憶だけが残ってる。
今でもそうであって欲しい。


片側顔面痙攣の症状で、
辛く過酷な日々を数年間過ごしたことや、
いろいろ考える入院生活を2度も送ったことで、
あたしは、ほんの少しだけ、
人に優しく出来るようなヤツになってる気がする。

耳鳴りは、残っている。
でも、
たいへん有難いことに、
煩わしい悪夢のような痙攣は、
2度目の術後以降、発症していない。

医師を始め、看護師さん、両親、家族。
あらゆることに感謝する気持ちも、忘れないでいたい。
このままで有り続けますように、と願いながら。
ほんの小さな優しさも、忘れないでいたい。



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2018-10-12 : よしなし雑記 : コメント : 0 :

羨望と尊敬とそして現実と

連日、故・樹木希林さんの報道が流れている。

いつだったかには、
ご遺族からのコメントとして、
「家族でも知らなかったエピソードまで報道頂いている」と、
素直な驚きと謝意の報道まであった。

とにかく、熱を帯びた報道が連日地味に続いている。
それは何となく、
故人の生前のお人柄を静かに偲ぶ、というよりあたしには
〝憧れてやまない人についての逸話〟に見える。

優れた個性派俳優として、
仕事も立派に成し遂げていたこと。
相思相愛でありながら、別居40年のドラマチックな夫婦関係。
素晴らしい娘家族との、お互い干渉はし合わない、
けど、寄り添い合っている、これぞ理想というような二世帯同居。
そして何より”全身がん”と認識しながら、
最期まで、自分自身の思うように人生生き切られたということ。

「嫌な話になったとしても、顔だけは笑うようにしているの。
井戸のポンプでも、動かしていれば、そのうち水が出てくるでしょう。
同じように、面白くなくても、
にっこり笑っていると、だんだん嬉しい感情が湧いてくる」


「他人と比較しない。世間と比較しないこと」

「一人の人間が生まれてから死ぬまでの間、
本当にたわいもない人生。
だから、大仰には考えない」


「自分にとって具体的に不本意なことをしてくる存在を
師として先生として受けとめる。
受けとめ方を変えることで、素晴らしいものに見えてくるんじゃないでしょうか」


悩める者への人生指南にピッタリだと思う。

そして、あたしが敬服するのは、
病や加齢に対して言われていたことだ。

「年を取るのは面白い。
若い時には当たり前にできていたものが、できなくなること。
ひとつずつを面白がってほしいのよ」


「片目失明して。世の中見えすぎて、片目でちょうどいい」

「病を悪、健康を善とするだけなら、こんなつまらない人生はないわよ」

「がんはありがたい病気。
周囲の相手が自分と真剣に向き合ってくれますから。
ひょっとしたら、この人は来年はいないかもしれないと思ったら、
その人との時間は大事でしょう?
そういう意味で、がんは面白いのよ」


「ガンになって死ぬのが一番幸せだと思います。
畳の上で死ねるし、用意ができます。
片付けしてその準備ができるのは最高だと思っています」


ふつうのひとが言ったら、やや問題になるかもしれない(苦笑)
心底悩み抜いている患者さんもいるかもしれないのに、とかね。
そういう、今なら”ネットで炎上と”かもあったかもしれない。
けれども、樹木希林さんの言葉では、そうはならない。
たぶん、憧れというか。
尊敬というか、感服というか。
そういう方が多くの人に勝ってるんだろうなあと思う。
それは同時に、
こうなれない、
こうでない人の方が断然多いからなんだろう、とも思う。
理想としては樹木希林さんの生き様だけども、
それが出来ない現実としての、暮らし。
これこそがまさに、理想と現実の格差。

母方の親戚の、とあるおば。
元気なうちは、
「病気になっても治療はしない。
子供に面倒かけず、コロリと死んでくつもり」
そう朗らかに言っていたけど、
現実では違った最期になった。

最近の大体の医療現場では、すっぱり患者に
何もかも告知して話を進めるらしい。
親戚が教えてくれた。

まず病名告知。
家族も交え、患者本人にもずばり伝える。
それから治療方法。
選択肢をいくつかあげてくれる。
そしてそのそれぞれの治療費代金。
このを使うと〇〇円で、
こちらの新薬を使うとお高くなって○○円となります。
どちらになさいますか、と医療側から言われたという。

そして、親戚のおば。
「命が少しでも長引くなら、お高い方で試したい」

病床に有った最後の辺りでも、
新薬治療に生きる希望をつないでいた。
数日でもいいから生きたい、とおば。
担当医が「何かして欲しいことはありますか」と、
家族と一緒にベッドサイドへ立ち、
おばの耳元へそう言ってくれたという。
周囲にいた身内達は、
ああ本当にもう残された時間は少ないのだな…
でも先生のご配慮に感謝します…と。
そう思っていたら、おばだけが「は???」
「先生のおっしゃってる意味が分からないんですが」と。
この逸話は、親族の中では完全な笑い話になっていて、
おばの息子。
「ついもううっかり、
だからー
母さんはもうすぐ、もう死んじゃうから、
先生が最期に何か願いがあるなら聞きますよって、
ご親切に、そう聞いて下さってんじゃんー
そういう意味だよーって、言いそうになったよ(苦笑)」

「お金はものすごくかかるけど、
本人がそれを望む限り、家族としては尊重してやりたい」
そう、親戚たちは言い、生々しいけど、お金の工面をしていた。
おばは、自分の望むだけの治療をして貰って、
余命宣告とそうたがわず旅立った。

こういうことに、
よいも悪いもない。

ただ、樹木希林さんに憧れを持つ。
お人柄まで知らない方だのに、憧れる。
こうありたいと願う。
こうでありたいと、学ぼうとする。
現実は、各自どうかは、分からない。

樹木希林さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。



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2018-10-04 : よしなし雑記 : コメント : 0 :
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プロフィール

lou.c

Author:lou.c
2013年10月、片側顔面痙攣で開頭手術を受けました。煩わしかった痙攣から解放された☆と思いきや、術後約1年数ヵ月後、また魔の痙攣が始まりました…
この症状について、さらには病というモノなどについて、さらにさらにはいろいろよしなにごとを書き綴りたいと思います。

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